PWAとIWTが団結・統合

『統一ウェイブ王者決定ツアー』開幕戦は御前崎

PWA(※)とIWT(※)が1月10日、共同でプレスリリースを配信した。以下要約。

《2023年、両者は団結し、これまでそれぞれに開催してきたウェイブツアーを統合、イベントを強化・拡大する。これにより真の(統一)ワールドチャンピオンが誕生することになる》

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Marcilio “Brawzinho” Browne(BRA-105)Sylt 2022 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

今期ツアーのそれぞれの大会は、参加選手の成績に対するポイント付与率によって次のように(スター=★の数によって)わけられる。

5 スター=100% ポイント / 4 スター(男子)=40% ポイント / 4 スター(女子)=60% ポイント / 3 スター=30% ポイント / 2 スター=10% ポイント / 1 スター=5% ポイント

そして2023年のウェイブワールドタイトルは、男子=ベスト3イベントポイント+マウイ・グランド・ファイナル / 女子=ベスト2イベントポイント+マウイ・グランド・ファイナルの総合ポイントによって競われることになる。

|| 憧れの世界を構築する

この改革のメリットは、まずトップライダーがすべてのツアーを回らずに済むということ。彼らは当然星数の多い大会にフォーカスを絞って参戦することになるだろう。そしてなにより大きなメリットは、ワールドタイトルを狙うすべての選手とランキングの上位を求める選手のすべてが、マウイで行われるグランド・ファイナル『アロハ・クラシック』に集結する(集結しなければならない)ということだ。そこで文句無しの王者が決まる。『唯一のワールド・チャンピオン』が決まるのだ。

では星数の少ない大会にはどんな意味があるのか。1スターはローカルイベント。2スターは国内大会である。そこに出場する選手らは、そこから3スター、4スターの国際大会を目指す。そして5スターの頂点、ワールドカップへの道を見出だしていく。

PWAとIWTは、そこに草の根から頂点へと聳え立つ、完全なるウェイブピラミッドを構築しようとしている。なぜなら“世界の頂点”とされるところが「本物の世界の頂点」でないスポーツには憧れが生じにくいからだ。PWAとIWTはそういう観点からウインドサーフィンに「未来につながる世界」をつくりあげようとしているのだと思う。

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Liam Dunkerbeck(E-11)& Marino Gil(E-959)Pozo 2022 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

|| 本物のワールドカップを御前崎で

革新の『2023 PWA / IWT ウェイブツアー』は3月16日『Omaezaki Japan Cup』で開幕する。舞台は日本、御前崎だ。イベント・グレードは5スター。だからすでに多くのトップライダーたち(2月18日時点ではメンズ・世界ランキング・トップ24の中の19名/杉匠真、石井孝良を含む)が参戦を表明している。まずは初戦で好成績を収め、その後の大会にアドバンテージをもって臨みたい。そう考える選手は多いだろうから、今後もエントリーは増えるはずだ。開催国である日本にはワイルドカードによる4つの出場枠も与えられている。

さて御前崎に形成されるだろうウェイブピラミッドの頂点付近でどんなバトルが展開されるか。世界のトップライダーたちは御前崎をどんな世界に変えるのか。世界と日本の距離は? ジャイアント・キリング的なドラマはあるのか? 本当にすごい奴は誰なのか? いろんなことが起こり、いろんなことがわかるはずだ。そして確かなことは、そこに行けば「本物のワールドカップ」が見られるということだ。


※PWA=Professional Windsurfers Association 1996年に設立以来ワールドカップをメインに世界中で250以上のイベントを運営。常に世界最高レベルのウインドサーファーと共にウインドサーフィンの限界を引き上げ、その裾野を広げることを旨として活動を続けている。

※IWT=International Windsurfing Tour 2010年設立。主な目的のひとつは「地球上で最高の条件を備えた最高の場所を探し、最高のウェイブイベントを開催すること」その「コンディション重視、アスリート・ファースト」の大会運営姿勢は、広く世界の選手に支持されている。


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