トップライダーの言葉_30 / ロビー・ナッシュ(US-1111)

「ウインドサーフィンは退化性の強いスポーツではない」

ーー2008年、ロビー・ナッシュ45歳。「老いていくことに不安を感じることはないか?」との問いに彼は答えた。

「もちろん昔のようなパワフルなライディングはできなくなっているのかもしれない。でも10年前よりうまくなっている気がする。風や波を読み、それをライディングに生かすスキルのレベルは上がっているし、それにより動きに流れを出せている。だからあまり歳をとった気がしない。なのにそれを無理矢理認識させようとする数字(年齢)が怖い。でも鏡(ルックス)を見ないようにしていれば大丈夫だ、今のところ」

Robby Naish(US-1111)La Perouse, Maui 2021/ⒸNaish_FishBowlDiaries
Robby Naish(US-1111)La Perouse, Maui 2021/ⒸNaish_FishBowlDiaries

「そうだね、自分のレベルをキープするには、とにかくパッションを持ち続けて、ギブ・アップしないこと。年齢は関係ない。とくにウインドサーフィンは退化性の強いスポーツじゃないから」

「サッカーやスキーやテニスの選手なら、45歳にもなって僕のようにプレーを続けるのは難しいかもしれない。でもウインドサーフィンはナチュラルでヘルシーなスポーツだ。やればやるほど健康的になり、体力がつき、身体のバランスが整えられる。それに道具の進化は、年齢によるどうしようもない退化さえフォローしてくれる。というか、乗り手を若返らせてくれもする

「だから僕はよく言うんだ『こんなスポーツ、滅多にないぜ!』って」

「最近では(健康のために)ジョギングをするという人が多いけど、あれはどうなんだろう? いずれはヒザを壊すように思うんだけど・・・まあ一番いいのはやっぱりウインドだと思う。このスポーツこそ生涯スポーツ。100歳までできる」

ーーロビーは今年59歳になる。それでもホキーパやラ・プルースやジョーズのリップを蹴り飛ばしている。ロビーほどにはなれないけれど、ウインドサーフィンに乗れば人は人を超えていける。うん、僕も思う。ロビーさんに全面的に同意する。「こんなスポーツ、滅多にないね」

2_AC15_ls_US1111_0006▶︎ロビー・ナッシュ_Robby Naish(US-1111) 1976年、大人に交じって戦うためにハーネスを発明。以来’87年まで、出場したほぼすべての大会で優勝を遂げ「帝王」の称号を得る。また幾度もエポックメイキングな大波チャレンジを成功させていることなどから、ファンの支持は絶大。ウインド界最初で最大のスーパースター。今でもジョーズのビッグウェイブにトラックを刻む58歳。1963年3月23日生まれ
Robby Naish, 2015 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com


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