WSF TECH 17_Let’s Start WaveRiding ❿ ⓫ ⓬
波と共に動く_Move with the Wave
Advice=Takayoshi “Yanmer” Yamamoto(HALE Surf & Sail_Enoshima)

サーフィンでは波のパワーポイントにいないとテイクオフできない、スピードがでない、動けない。ウインドサーフィンでは風が使えるから「そこ」に縛られないが、そのぶん波のパワーポイントを外しやすくなり、十分なウェイブライディングができなくなる。

風と波のパワーをいい塩梅にブレンドして『ウインド+サーフィン』を実践するには、まず波のパワーポイントを知り、移動していくそのポイントをキープして、そのパワーが自分に乗り移るような感覚を掴むこと。一度思い切ってプレーニングを忘れて、サーフィンをするつもりで海に出てみると「あ、この感じ?」と未知のパワーを体感しやすい。

今季多くのドラマを生みそうなスペインの新鋭、マルク・パレ(22歳)。風に対して小さめの道具で、まさにサーフィン的ウェイブライディング。風に引っ張られる割合を小さくすることで、波のパワーを感じやすくなり、最適なラインを見つけやすくもなる。Marc Paré(E-334)/ ⒸDuotone 2021_FishBowlDiaries
今季多くのドラマを生みそうなスペインの新鋭、マルク・パレ(22歳)。風に対して小さめの道具で、まさにサーフィン的ウェイブライディング。風に引っ張られる割合を小さくすることで、波のパワーを感じやすくなり、最適なラインを見つけやすくもなる。Marc Paré(E-334)/ ⒸDuotone 2021_FishBowlDiaries

10|| サーフィン的ウェイブにトライ

風に頼らない。プレーニングは無視する。ウインドではなく、サーフィンするつもりで海に出る。セイルはパドリングに代わる手段に過ぎない。それくらい徹底しないと、いつになっても波のパワーで走るセンスを得られない。

コンディションとしては、波にパワーがあって、風がサイドからクロスオフ、微風ならもってこい、ガスガスだって構わない。風速15m/sの強風で腰波でもサーフィン的ウェイブはできるが、それはビギナーには簡単なことではない。
 
 
11|| 波のパワーに合わせた道具で

道具は80ℓ前後のウェイブボードに小さめのウェイブセイル。普通道具は風の強さに合わせることが多いが、この場合、波の強さに合わせる。

実際にこんなシーンを見たことがある。ホキーパにいいサイズの波が入り、しかし風はひよひよだった。そこに当時85キロはあっただろうフランシスコ・ゴヤが現れて、65ℓのウェイブボードで沖へとゲティングアウトしていった。ボードに飛び乗ったゴヤはヒザまで沈んだ。何してんの? って感じだったのだが、波に乗るとバチンとスイッチが入って、ギュンギュン動いて見せたのだ。風に引っ張られ過ぎないゴヤのライディングは、スムーズでバーチカルでメリハリが利いていた。
 
 
12|| スラローム的ウェイブの経験を活かす

ここまでこのシリーズを読み進めてきたあなたは、シンプルにスラローム的ウェイブがオーバーパワーで、サーフィン的ウェイブがアンダーパワーだと思うかもしれないが、違う。

サーフィン的ウェイブでも、波に乗ってパワーポイントから加速していけばオーバーパワー(あるいはそれに近い状態)になって、たくましさや状況適応力が必要になる。波をフル加速して降りていき、ボトムターンに入るときなど、強風ラフ海面で繰り返してきた経験が活きてくる。

あなたはすでに風に対する経験は豊富なはずだ。数秒後にブローが来るだろうなどと読めるのだ。次は波に対する状況適応力を高め、予測し、利用し、ウェイブライディングに活かす術を覚えれば、それはもうこれまでの何倍もダイナミックにウインドサーフィンを楽しめるようになる。

スラローム的にウェイブ的に、切り替えて練習しよう。同じ10m/sの風でも、今日はオンショアだから5.7㎡でジャンプとバックサイドをやろうとか、サイドショアだから4.7㎡で徹底的にダウン・ザ・ラインしようとか。そうするうちに風、波、双方のパワーを状況に合わせて瞬間的・合理的にブレンドできるウェイブライダーへと成長していけるはずだから。(おわり)

2018、2019年 IWTウェイブチャンプ、2019年 PWAウェイブランキング4位、アントワン・マーチン(27歳)。移動していく波のパワーポイントでテイクオフ、リッピング、さらに通り過ぎた「そこ」へとカットバック。エネルギーの安定供給が可能にするハイパーライド。Antoine Martin(F-193)@ Tenerife 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
2018、2019年 IWTウェイブチャンプ、2019年 PWAウェイブランキング4位、アントワン・マーチン(27歳)。移動していく波のパワーポイントでテイクオフ、リッピング、さらに通り過ぎた「そこ」へとカットバック。エネルギーの安定供給が可能にするハイパーライド。Antoine Martin(F-193)@ Tenerife 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

────────────── Windsurfing Magazine ─────────────── ウインドサーフィン マガジン ──────────────

▶︎〈WSF TECH 16_スラローム的ウェイブから〉
─────────〈走り重視のウェイブギアで〉
─────────〈波のパワーを感じるセンサーを設置する〉
▶︎〈WSF TECH 15_ジャイブ10種〉
▶︎〈WSF TECH 14_波のフロントサイドへ〉
─────────〈スラローム的に、サーフィン的に、乗り分ける〉
─────────〈風と波のウェルバランスを感じ取る〉
▶︎〈WSF TECH 13_冬にウェイブを始めると上手くなる〉
─────────〈タフコン土産をゲットせよ〉
─────────〈レイルジャイブができなくても〉
▶︎〈WSF TECH 12_誰も見てない・・・マインド・リセット〉
▶︎〈WSF TECH 11_プレーニングに入るとボードが暴れる〉
▶︎〈WSF TECH 10_ブローが抜けるとラフしてしまう〉
▶︎〈WSF TECH 09_プレーニングすると下ってしまう〉
▶︎〈WSF TECH 08_ブローで前に飛ばされる?〉
▶︎〈WSF TECH 07_ハイジャンプのコツ〉
▶︎〈WSF TECH 06_波に乗ったらフェイスの上を横っ走り〉
▶︎〈WSF TECH 05_小波でなんちゃってテイクオフ〉
▶︎〈WSF TECH 04_ジャイブ、ボトムターン、前のヒザ〉
▶︎〈WSF TECH 03_ジャイブはマインドで変化する〉
▶︎〈WSF TECH 02_脱力乗りを身につけるために〉
▶︎〈WSF TECH 01_ジャイブ_中井忠則 / JPN-121〉