WSF TECH 06_小波でなんちゃってウェイブライド

WSF TECH 06_Somehow Wave Riding
波に乗ったらフェイスの上を横っ走り

以前プロ選手から聞いた話だ───意識的なウェイブライディングを経験したことのない人は、とにかく波は越えるものという意識が強く、波に乗るというイメージを持ち合わせていないことが多い。ゆえにせっかくテイクオフしても、すぐにボトムに降りてしまう。だから波のパワーが使えずに、ボトムで自由が利かなくなる(自由度が減少する)。

ヒザ、腰、頭がきっちりボードに乗った波乗りフォーム。この状態ならインレイルへの加重もイージー。 Pozo, Gran Canaria, Spain 2017_Youth Action ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
ヒザ、腰、頭がきっちりボードに乗った波乗りフォーム。この状態ならインレイルへの加重もイージー。
Pozo, Gran Canaria, Spain 2017_Youth Action ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

(WSF TECH 05で説明した)なんちゃってテイクオフで波に乗ったら、フェイスの上を横に滑って、できるだけ波の上部をキープするようにしてみよう。そこなら波のパワーを長く維持できるし、高低差による位置エネルギー(重力)をキープしておくこともできる。アップ・スーン・ダウンもやりやすくなり、なんちゃってウェイブの道が拓ける。

でも風乗りによるプレーニングに慣れていると、サイドショアで波に乗っても風上側(バックサイド)には走れるけれど、風下側(フロントサイド)には走っていけないということがよく起こる。主な理由は、風乗りグセでセイルに寄りかかっているために、インレイル(つま先側)への加重ができないからだ。さらにその体勢のまま、ベアの要領でノーズを風下側に向けようとすると、ジョイント加重が増して、ボードが真っ直ぐボトムに降りようとしてしまうからでもある。

これを防ぐにはWSF TECH 05でも説明したボードの上に乘る波乗りフォームを作ること。ノーズをあまり下げないようにして、ボードの向きをコントロールすることだ。最初はストラップに足を入れなくてもいいけれど、ストラップに入れてそのフォームがとれれば、よりコントローラブルな状態が作れる。

そのフォーム? 簡単だ(と自己暗示)。ヒザを沈めて、腰と頭をボードの上に乗せればいい。

「セイルに乗る」から「ボードに乗る」へ。スイッチの切り替えができれば、波に乗れるようになり、自由の幅が広がる感覚が得られる。いつものクセで無理にセイルを引き込もうとしなければ、それほど恐怖も感じずに済むはずだ。

最近よく吹きますね。今度小波が立ったとき、試してみてください。

横っ走りからレイルを入れればボトムターン。そんなに簡単にはいかないけれど、やりたい動きに近づくことはできる。 Sarah Hauser(NC-6)Aloha Classic 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
横っ走りからレイルを入れればボトムターン。そんなに簡単にはいかないけれど、やりたい動きに近づくことはできる。
Sarah Hauser(NC-6)Aloha Classic 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

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▶︎〈WSF TECH 05_小波でなんちゃってテイクオフ
▶︎〈WSF TECH 04_ジャイブ、ボトムターン、前のヒザ〉
▶︎〈WSF TECH 03_ジャイブはマインドで変化する〉
▶︎〈WSF TECH 02_脱力乗りを身につけるために〉
▶︎〈WSF TECH 01_ジャイブ_中井忠則 / JPN-121〉