【WSF Interview_04_サラキタ・オフリンガ / ARU-91】
《 本気になったスラローム・クイーン 》

サラキタ・オフリンガ_2016年PWAスラローム・シリーズ_リザルト
第一戦・韓国=2位
第二戦・デンマーク=1位
▶︎年間ランキング=1位

───2016年、PWAの女子スラロームはわずか二戦。成立したレースも3レース(韓国1 + デンマーク2)のみ。サラキタは3つのファイナルのうちの1つ(デンマークでの第1レース)を制して二連覇を果たした。それはつまり残りのファイナルで2度負けた(2位/3位)ということだ。

かつてフリースタイルの絶対女王であったサラキタがスラロームに参戦し始めた頃(2011年前後)彼女の艇速は圧倒的で、他の選手を寄せ付けなかった。スタートやジャイブ(マーキング)にはまだ難があり、タクティクスのことなど(たぶん)考えていなかったから、時々負けはしたものの、その負けは見ているものに負けを意識させないものだった。つまり当時の彼女の負けは「相撲に勝って勝負に負ける」的なものに感じられた。
では、今はどうか?

All Photo by pwaworldtour.com_John Carter Photography
All Photo by pwaworldtour.com_John Carter Photography

───あなたのスラローマーとしてのストロングポイントはどこにあると思いますか。それとは逆に自分で認識している弱点はありますか。
サラキタ・オフリンガ(以下:SO)意外と思われるかもしれないけれど、私のストロングポイントはライトウインドにあります。その風域ならば、効率的に道具を機能させる自信がある。スタートだって大概は上手くいく。ただ、その風でのプレーニング・ジャイブには、まだまだ改善の余地があると思うけど。
逆に強風では、いろんなことが少しずつ足りない気がしている。小さな道具でのレース経験が不足しているから。
───あなたにとって一番のライバルは誰ですか。
SO 世界には能力の高いスラローマーがたくさんいます。
中でもデルフィーネ・カズン(ランキング3位 / フランス)は、特に強風では一番タフな相手だと思う。レナ・アーディル(ランキング2位 / トルコ)は、どんなコンディションでも安定している。フーリャ・アンルー(ランキング5位 / トルコ)も同じ。それから去年のデンマークの大会でいい走りをしたポーランドのマヤも強敵ね。
そう、この4人が私にとってのライバルだと思う。
───去年チャンピオンになったあなたは、来季みんなの標的になるでしょう。彼女らの追撃を退けるには何が重要だと考えますか。来季のレースプランを聞かせてください。
SO 大事なことはトレーニングを重ねて、コンディションによって自分の道具がどのように機能するかを把握しておくこと。常に最適な状態を作れるようにチューンナップを煮詰めておくこ。それからジャイブのレベルを上げること。
───この5月には日本で『横須賀W杯』が開催されます。
最後に日本のファンに向けて、何かコメントを頂けますか。
SO 私は何人かの日本の選手に好感をもっているので、彼女らの国でセイリングできることを楽しみにしています。それから日本に行ったら、レースの他にウェイブもしたい。たぶんどこかに乗りに行きます。
“Mata chikaiuchini o ai shimashou” See you soon!
───もうひとつ。あなたはスラロームの練習をほとんどしない、と前に聞いたことがあるのですが・・・。
SO もちろん、練習はするってば! まあむかしはあんまりしなかったけど。二年前からは集中してトレーニングするようにしている。それが真実よ。

───今やサラキタとライバルたちの間に圧倒的な差は存在しない。
そこに埋められそうにない溝があったとしても、必ずせっせと埋めてくるものが現れる。それが世界だ。サラキタも迫りくるものの影を感じている。だから真剣に練習を始めた。

今はサラキタを倒す絶好の時期なのかもしれない。
腰の位置を高くして、身体とセイルを立ち上げた「男乗り」を実践できる唯一の「女子」であるサラキタが、自らウィークポイントと自覚している強風とレーシング・ジャイブを克服したら・・・。そう考えると、今を逃せば当分そのチャンスは訪れないかもしれない、という気がしてくる。女王の伸びしろは、まだまだ果てしなく広がっている。
それがサラキタの怖いところだ。2_K16_sl_ARU91_0253

▲Sarah-Quita Offringa(ARU-91)9歳でウインドを、10歳でフリースタイルを始める。2003年12歳でPWAツアーに初参戦、2006年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2008年から2016年までフリースタイル部門を9連覇。2011年、初のスラロームチャンプとなり、その後学業に専念するため、ツアーへのフル参戦を一時休止。完全復帰後の2014年から2016年までのPWAスラローム・世界ランキングは7位、1位、1位。2016年にはウェイブでも『アロハクラシック』に優勝。世界一のレディス・オールラウンダー。1991年アルーバ(島)生まれ、25歳。国籍はオランダ。
▲Sarah-Quita Offringa(ARU-91)9歳でウインドを、10歳でフリースタイルを始める。2003年12歳でPWAツアーに初参戦、2006年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2008年から2016年までフリースタイル部門を9連覇。2011年、初のスラロームチャンプとなり、その後学業に専念するため、ツアーへのフル参戦を一時休止。完全復帰後の2014年から2016年までのPWAスラローム・世界ランキングは7位、1位、1位。2016年にはウェイブでも『アロハクラシック』に優勝。世界一のレディス・オールラウンダー。1991年アルーバ(島)生まれ、25歳。国籍はオランダ。