【テクノ293ジャパンカップ2017】

昨年暮れの29日、30日に『テクノ293ジャパンカップ2017』が開催された。いまは学生が中心となって行われている感のあるコースレースだが、曾てはウインドサーフィンのメイン種目であった時代もある。コースレースにはウインドサーフィンを乗りこなすための技術や感性、フィジカルの強さが必要だが、この種目の魅力はタクティクスを駆使して競技をするところにあるのではないだろうか。単に時間通りにスタートラインを切ればいいと言う訳ではない的な!そんなところにコースレースの奥深さも感じる。

今回は、同志社OBの奥田さんのレポートをお伝えする。

15977033_344944002559124_3909973103337015963_n12月29,30日 神奈川県逗子海岸にて、テクノ293ジャパンカップが行なわれた。この大会は2017年10月にスペインのタラゴナで行われる世界選手権出場支援の為の選考を兼ねており、年末にも関わらず、関東・関西の学生を中心に熱戦が繰り広げられた。初日、無風から一転、南西風速6-8mのコンディションで第1レースがスタート。1上から独走の北川晋平(早稲田大)がトップフィニッシュ。2上で上手く捲った箭内康平(青山学院大)が続いた。レディースは強風の中、長島かれん(法政大)のみがフィニッシュした。第2レースは更に風が上がり、風速10mを超えるコンディションでスタート。強風域で抜群の艇速を誇る北川が第1レースに続いてトップフィニッシュ。2位には今年の関西を背負って立つ京都大 新キャプテン勝木太陽が続いた。フィニッシュ20人のサバイバルレースの中、レディースは唯一 島田有季乃(関東学院)がフィニッシュ。

二日目、オフショア北風5-6mで第3レースがスタート。ロングレグのコース、風の強弱激しいコンディションの中、1上を制したのはレディース島田。3月に行われる全日本学生団体戦でもこの風域での島田の走りに期待したい。第2レースフィニッシュ直前で沈、順位を大きく落とした山崎大輔(横浜市消防局)がこのレース意地のトップフィニッシュ。寸差で佐藤力哉(京都大)が2位となった。女子トップの島田は総合でも3位と、4位の北川を抑えフィニッシュ 。第4レースは安定した北風5-6mの中で行われ、1上を大会実行委員長の長島一由が制し「これで思い残すことはない!」とのコメント。初日1位1位の北川がトップフィニッシュ、2位佐藤(京都大)、3位岩崎雄太(マジックマリンジャパン)、4位島田有季乃と続いた。風が落ち北風2-4mの中、第5レースが行われ途中大きく振れた風をうまく掴んだ網口宗太郎(明治大)がトップフィニッシュ。2位にはインカレ絶好調だった山田祥充(京都大)が続いた。

その結果、全5レース中3レースでトップとなった北川晋平が総合優勝。2位は佐藤力哉、3位は岩崎雄太となった。女子は総合でも10位の島田有季乃が優勝、2位は長島かれん、3位は大竹希実(青山学院大)となった。風に恵まれ、2日間で強風・中風・微風のレースが行われ、選手の総合的な実力が試された大会となった。なお、総合4位の明治大・網口選手は第2レース前、自らのレースを放棄してボードから離れた選手のレスキューに当たり、この話が初日夜のフェアウェルパーティーで紹介されると、大会の選手・スタッフから惜しみない賛辞が送られた。19名の海外派遣支援選手も決まり、東京五輪のスタートとなる2017年を前に、参加した選手のこれからが期待できる大会となった。

(レポート:同志社大学OB奥田順一)

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