WSF TECH 16_ウェイブセイリングを始めよう_Part 3

WSF TECH 16_Let’s Start WaveRiding ❼ ❽ ❾
波のパワーを感じるセンサーを設置する
Advice=Takayoshi “Yanmer” Yamamoto(HALE Surf & Sail_Enoshima)

風と波のパワーをブレンドして動く。だからこそひとつのパワーでは不可能な、ウインドサーフィンならではのウェイブセイリングが可能になる。けれど二つのパワーを状況や自分に最適にブレンドするのは簡単なことではない。いい按配を引き出す術を身につけるには、それなりの経験が必要になる。

ここで言う経験とは失敗のこと。はじめから上手くはできない。誰もが失敗を繰り返す。でもその後の上達のスピードは人によって、やり方によって変わってくる。大事なことは何のために、何をしているのかを理解すること。その上での失敗は混乱を招かず、自分の中にウェイブ的感覚を構築するプロセスになる。

3× PWAウェイブ・ワールド・チャンピオン=ヴィクター・フェルナンデス。オンショア、ポッゾでのハイスピード・ボトムターン。「波の斜面で、レイルジャイブの要領で、ヴィクターになるイメージで」とトライしてみるのもいい。Victor Fernandez(E-42)@ Gran Canaria 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
3× PWAウェイブ・ワールド・チャンピオン=ヴィクター・フェルナンデス。オンショア、ポッゾでのハイスピード・ボトムターン。「波の斜面で、レイルジャイブの要領で、ヴィクターになるイメージで」とトライしてみるのもいい。Victor Fernandez(E-42)@ Gran Canaria 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

07|| スラローム的ウェイブから

まずはラフ海面でプレーニングを続け、風のパワーメインで動いてみる。スラローム的に、けれどスラロームをするのではなく、波のフェイスでジャンプし、加速し、ターンし、インレイル→フラット→アウトレイルなど、ボードの傾きを意識しながらレイルを切り替え、板を返す。風を使ってウェイブパフォーマンス的な動きをする。

強風、風波、オンショア。冬によくあるコンディションで十分に練習できる。プレーニングに慣れている人ならすぐにでも始められる。

08|| 走り重視のウェイブギアで

セイルはもちろんウェイブセイル。プレーニング重視なのでサイズは少し大きめ。ボードも同じ理由で100ℓ前後のフリースタイルウェイブ系がお勧め。でも最初から80ℓ前後のウェイブボードで、小さい板の芯に乗って走らせることに慣れてしまうのも得策だ。

09|| 波のパワーを感じるセンサーを設置する

強風ラフ海面でプレーニングを維持することは簡単ではない。ゲティングアウトではベア加速しないと、風と同じ角度で寄せてくるチョップを越え、ジャンプすることはできない。インへと漫然と走っているだけでは波の上で動けない。

プレーニングしながら波を探し、その斜面で加速することにより、バックサイドに切れ上がる、あるいはレイルジャイブの要領でフロントサイドのボトムターン、さらにアウトレイルに切り返してトップターンなどにトライしてみる。フォームなんてぐちゃぐちゃでも、とにかく急なコブ斜面でも降りていくようなたくましさ、状況適応能力を高めていき、キャパシティを広げていく。

ただしそれらは風のパワーで強引に行うもので、本来のウェイブライディングではない。だが確実に、10%20%、波の力も使うことになる。やがて風のパワー、波のパワー、両者を感じられるようになり、コンディションに応じたパワーバランスを制御できるようになっていく。

次回(最終回)は「サーフィン的ウェイブ」について。(つづく)

ユースライダー=マリア・モラレス。上の写真と同じ場所、同じ大会でのボトムターン。身体を後傾させすぎずに波を降りてきたことによりある程度のスピードが保たれ、そのスピードに合わせて緩く内傾することでターンを進めている。はじめはこんな感じから。 Maria Morales(E-737)@ Gran Canaria 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
ユースライダー=マリア・モラレス。上の写真と同じ場所、同じ大会でのボトムターン。身体を後傾させすぎずに波を降りてきたことによりある程度のスピードが保たれ、そのスピードに合わせて緩く内傾することでターンを進めている。はじめはこんな感じから。 Maria Morales(E-737)@ Gran Canaria 2019 / ⒸJohn Carter _pwaworldtour.com

Windsurfing Magazine
ウインドサーフィン マガジン


▶︎〈WSF TECH 15_ジャイブ10種〉
▶︎〈WSF TECH 14_波のフロントサイドへ〉
─────────〈スラローム的に、サーフィン的に、乗り分ける〉
─────────〈風と波のウェルバランスを感じ取る〉
▶︎〈WSF TECH 13_冬にウェイブを始めると上手くなる〉
─────────〈タフコン土産をゲットせよ〉
─────────〈レイルジャイブができなくても〉
▶︎〈WSF TECH 12_誰も見てない・・・マインド・リセット〉
▶︎〈WSF TECH 11_プレーニングに入るとボードが暴れる〉
▶︎〈WSF TECH 10_ブローが抜けるとラフしてしまう〉
▶︎〈WSF TECH 09_プレーニングすると下ってしまう〉
▶︎〈WSF TECH 08_ブローで前に飛ばされる?〉
▶︎〈WSF TECH 07_ハイジャンプのコツ〉
▶︎〈WSF TECH 06_波に乗ったらフェイスの上を横っ走り〉
▶︎〈WSF TECH 05_小波でなんちゃってテイクオフ〉
▶︎〈WSF TECH 04_ジャイブ、ボトムターン、前のヒザ〉
▶︎〈WSF TECH 03_ジャイブはマインドで変化する〉
▶︎〈WSF TECH 02_脱力乗りを身につけるために〉
▶︎〈WSF TECH 01_ジャイブ_中井忠則 / JPN-121〉