『御前崎ジャパンワールドカップ 2024』Day 1(2月19日|月)

PWA IWT WAVE TOUR_5-Star Event
2024 SPICARE OMAEZAKI JAPAN WORLD CUP
Men & Women Wave / February 19-25 / Long-Beach, Omaezaki, Japan / Photo by Akihiko Harimoto

ウインドサーフィン・マガジン
2024 Omaezaki Japan World Cup Opening

|| 御前崎ジャパンワールドカップ開幕

今期ワールドツアーの初戦が去年と同じ御前崎で開幕した。今年はひと月時期を早めた。冬型・西高東低の気圧配置が決まる2月こそ、御前崎本来の強風、あるいは暴風コンディションがもたらされる可能性が高いからだ。

初日から風は吹いた。でもなんたることか、暖かい南風、ほぼストレートなオンショア。それでもこの地に集結した世界のトップライダーたちは、朝のトレーニングライドから見るものを驚かせた。ボードを風向に逆らうようにフロントに振り、不思議なほどスムーズにリップを蹴った。

風上へ上ることになるゲティングアウトでも、彼らのボードは鋭く加速し、波を切り、高くジャンプして回転した。これが本当にオンショアなのか!? と疑わしくなるような動きを見せた。

「彼らは風さえあればなんでもできる」と、日本のプロの一人が言った。そう、マウイのようなサイドショアでなくても、彼らはプロフェッショナルとして金の取れる演技をする。御前崎のイレギュラーでジャンクなコンディションでさえ、世界レベルの舞台に変えてみせる。

日本の多くのウェイブライダーたちに本当に参考になるのは、こういうときの彼らかもしれない。自分のゲレンデに置き換えて彼らを見れば、おそらく無限の可能性を感じることができる。

|| 強者だらけのウェイブ超人オリンピック

今日はメンズプロクラスのチャレンジャーズヒートふたつと、ウィメンズ本戦のひとつのヒートが行われた。ここではみんな苦労していた。風の弱いインサイドで波に巻かれたり、波のトップで裏風に潰されたりもした。たくさん転んでいた。だがそこからが違うのだ。彼らは勝つために何度でも復活して、何度もチャレンジし続ける。そのプロセスを見るだけでも価値がある。

『ウインドグル』の予報を見れば、明日は南西から西の風、特に午前中は10m/s前後の風が吹くだろうとされている。選手も実行委員会もやる気だ。「スキッパーズ・ミーティングは早朝6時半、可能であれば試合は7時から行う」と言っている。

風がオンショアでもクロスオンでもサイドショアでもオフショアでも、本気で戦う彼らが海に出てくれば、見どころはたくさん生まれる。見事な演技を見、とんでもない闘争心を感じれば、こちらとしてはどうしたって応援しないわけにはいかなくなる。

明日試合が進めば、去年のこの大会で優勝した日本のウェイブクイーン、佐藤素子が登場する。今や世界のトップウェイバーとなった杉匠真(世界ランキング8位)や石井孝良(同12位)石井颯太(同24位)らもホームでドラマをつくろうと手ぐすねを引いている。

相手は誰だ! マルシリオ・ブラウジーニョ・ブラウン(世界ランキング1位)か、アントワン・マーチン(同3位)か、マーク・パレ(同4位)か、モーガン・ノイロー(同5位)か、バーンド・ロディガー(同6位)か、ロビー・スウィフト(同7位)か?

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Robby Swift(K-89)/ Marcilio Brawzinho Browne(BRA-105)

今大会はワールドツアーの中で最もグレードが高く、高ポイントを稼げる5-スターイベントである。世界のトップの多くが参戦している。強者しかいないのだ。それはウェイブ超人オリンピックのようなものであり、その中に有望な日本の選手がいて、会場は御前崎ときたものだ。見ない手はない。現場で、あるいはライブ配信で、みなさまも是非ともこの大祭にご参加ください。


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Marcilio Brawzinho Browne(BRA-105)