Gran Canaria PWA Windsurfing World Cup 2022
Wave Men & Women / July 09-17 / Gran Canaria Pozo Izquierdo
Photo by John Carter_pwaworldtour.com
(7月9日~7月17日、スペイン・グランカナリア島・ポッゾ)
▶︎日本のツートップのもう一人、今季初戦のカーボ・ベルデ大会で6位入賞を果たした石井孝良(タカラ)は、プロメンズの1回戦でスペインのヴィクター・ボーリンを下し、2回戦でドイツのジュリアン・サーモンと対戦、ジャンプでもウェイブでも差をつけられ、トータル16.74対10.70で敗退した。波はほとんどない状態だった。海面にでこぼこがあるだけ。はっきり言って気の毒なくらいにプアーなコンデションでそのヒートは行われた。これがポッゾか? という状況下で。
||「反省点多数!」で強くなる
タカラは3年前までPWAとは別のIWTツアーを主戦場として活動していた。IWTの大きな特徴のひとつは(スポンサーシップやギャラリーの数に過度にこだわることなく、御前崎、チリ、ペルー、マウイなど)世界のグッド・ポイントで大会を開き、ウェイブパフォーマンスの可能性を拡げ、その素晴らしさを世界に発信することである。タカラはそんなIWTツアーで腕を磨き、動作にもマニューバーにも余計な角のない、スムーズでスタイリッシュなウェイブライディングを身につけた。
だからおそらく今回のようなコンディションで試合をすることに慣れていなかった。そしてただジャンクなだけの海面に、たっぷり墨をしみ込ませた太めの筆で描くようなマニューバーを、そのストロングポイントを封印されてしまった。
以下、試合後のタカラのコメント。「波乗りのポイントが足りず敗退してしまいました! いつもとは違う変化の激しいコンディションになかなか合わせきれなかったのも含めて反省点多数! ライブのアーカイブ見て勉強します!(フェイスブックより)」言い訳はしない。自らをネガティブサイドに追い込むような真似はしない。反省し、前を見て、次の自分をイメージする。
石井孝良:シングルイリミネーション17位タイ。
このあと大会8日目と9日目にダブルイリミネーション(敗者復活戦+グランドファイナル)が行われ、タカラはその1回戦に勝ち、2回戦でニューカレドニアのアントワン・アルバートに惜敗(ポイント差0.2)した。結果、25位タイで大会を終えることになった。シングルイリミネーションのときと比べて、いくぶん風は強くなっていたものの、波は小さいままだった、というより海面はチョッピーなままであり、ここでも得意のウェイブライディングでアントワンを上回ることができなかった。
たとえ小さくても形のある波さえあれば、と僕は思った。そして「反省点多数!」をクリアしようとするタカラの姿を思い浮かべた───そこにはまだまだ広大な伸び代があるはずだ。次のタカラはきっと僕らの想像を超えるタカラになっているに違いない───何の躊躇もなくそう思えた。今大会を終了した時点でのタカラの年間ランキングは12位。目指せ世界のトップ10! 本当の戦いはこれからだ。
Windsurfing Magazine
ウインドサーフィン マガジン