トーマス・トラベルサ_F-3|64キロのビッグ・ムーバー

“身体の大きさなど関係ない、少なくともウェイブセイリングで大事なことは、自然のパワーを使い切ること、それだけだ” 彼が言っているのではない。彼のライディングがそう言っているように見えるのだ。そのマニューバーは大きく深く、時にバーチカルに波を刻んでダウン・ザ・ライン方向へと進んでいく。進路を塞ぐ大きなスープも、それ以上に大きなエアーで飛び越えて、次のセクションへとつながっていく。

彼が波に乗ると、彼は別の存在になるように思える。テイクオフして波のリズムに合わせているうちに、彼はリズムそのものになり、波そのものになっていく。そして自然の不思議さや美しさや強大なパワーを知らしめる指標になる。人は自然に抗うことはできない。だが自然とともにあることで、とんでもない存在になることはできる。彼のライディングを見ているとそう思う。

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Flowing Smoothly_Thomas Traversa(F-3)Sylt 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
Flowing Smoothly_Thomas Traversa(F-3)Sylt 2019 / ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

彼=トーマス・トラベルサは、9歳のときに(南フランスのホームポイント、ラ・クドュリエ&カロ=La Coudoulliere & Carroで)ウインドサーフィンを始め「すぐにウェイブセイリングに夢中になった」その後両親や他の仲間とウェイブトリップを続け、2003年、17歳でPWAツアーにデビューした。’12年にはデンマーク大会で初優勝を果たし、’14年には(グラン・カナリア大会9位、テネリフェ大会2位、デンマーク大会優勝、ラトーシュ大会2位、アロハクラシック2位でヴィクター・フェルナンデスをうっちゃって)ワールドウェイブチャンピオンの称号も獲得した。

日本ではまだあまり有名とは言えないかもしれないが、間違いなく「凄いウェイブライダー」の一人だ。現在34歳でベテランと呼ばれる年齢に達したが、’18年にはドイツ・シルト大会で優勝し、’19年のワールドランキングも5位と、未だトップレベルのパフォーマンスを維持している。

トーマスの強みのひとつは軽量であることだ。64kg。太りにくい体質でなかなか大きくなれないらしい。だからパワフルではない。また彼自身「リカルドやブラウジーニョのようにラディカルではない」とも言っている。でもそのぶん大きな道具を使う必要がない。セイルは最大で4.5㎡。それでライトウインドでも戦える。どんなコンディションでも人より道具がコンパクトであるぶん、道具に動きを支配されることが少ない。

波とともにスムーズに流れる。波とともに爆発する。それがトーマスのスタイルで、彼はそうなるように全てをコントロールできる稀有なウェイブライダーの一人なのだ。ここに埋め込んだ彼のビデオクリップを見ていただければ、その一端を感じてもらえると思う。撮影場所はフランス北西部ブルターニュ地方のカウ島(Cow Island)。「フランスのビッグウェイブポイントであるそこに、この冬その時が訪れた」と記録されたものだ。(よく見ると強風時の波の越え方や海に落ちてブレイクをやり過ごす方法なども学べるので、未来のウェイブライダーであるあなたも是非ご覧ください)

Cow Island_Thomas Traversa(F-3)
New edit from that big day I had in Brittany (France) this winter!

Cow Island from jamie hancock on Vimeo.

This winter I took a day trip on a promising forecast to the spot, Ile Aux Vaches (Cow Island) in France.
We had been there the previous winter for The Windsurf Project, this time it was just me and a one day trip. Thomas has the place totally dialled and is always a joy to film as he tears apart 20ft+ waves.

We left in the evening to take the Euro Tunnel, picked up JC in Calais, drove through the night without any sleep to Brittany and arrived with Thomas rigging. I then shot from the land, flew the drone for a few waves in between the rain squalls and then finished off the day on the back of Pierre’s ski. A couple of voiceover recordings later and we were off to the ferry, exhausted.

Film | Drone | Edit | Jamie Hancock
Voiceover | Timo Mullen / Thomas Traversa / Robin Goffinet
Featuring | Thomas Traversa / Robin Goffinet / Pierre Bouras
Image | Pierre Bouras
Shot with Lumix S1H / DJI Mavic Pro 2 / DJI Osmo Action

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Thomas Traversa(F-3)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
Thomas Traversa(F-3)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com