【WSF Interview_03_マテオ・イアチーノ / ITA-140】
《 本物の王者になるために》
マテオ・イアチーノ_2016年PWAスラローム・シリーズ_リザルト
第一戦・韓国=1位
第二戦・スペイン=7位
第三戦・フェルテヴェンチュラ=4位
第四戦・デンマーク=1位
第五戦・ドイツ=1位
▶︎年間ランキング=1位
2015年、マテオは最終戦をトップで迎えたものの最後に自滅、アントワン・アルボーに四連覇を許してしまった。2016年はその悔しさを晴らすための年であり、彼は見事にそれを成し遂げたことになる。
PWAにデビューして8年目、27歳でスラローム王者となったマテオは来季をどう戦おうとしているのか。
───あなたのスラローマーとしてのストロングポイントはどこにあると思いますか。それとは逆に自分で認識している弱点はありますか。
マテオ・イアチーノ(以下:MI) 強みは常にアスリートでいられること。僕はひとつのゴールに向かって、躊躇なく突き進むことができる。そこに辿り着くまで、何年でも。
ただストレスを感じやすい面はある。そのことを自覚して、自分をケアするようにしている。そこに弱点があるのかもしれない。
───あなたにとって一番のライバルは誰ですか。
MI 難しい質問だね。この世界には少なくとも10人の勝者に値するレベルのレーサーがいる。でもその中でもアントワン(アルボー=PWAスラローム 9×チャンピオン)は、特別な存在だ。来季の彼は間違いなく王座へのカムバックを狙ってくる。彼の経験と全力をもって。僕の仕事がよりハードなものになるだろうことも間違いない。
───去年チャンピオンになったあなたは、来季みんなのターゲットになるでしょう。彼らの追撃を退けるには何が重要だと考えますか。来季のレースプランを聞かせてください。
MI これまでやってきたようにやるだけ。集中して、リラックスして、可能な限り準備を整えて、どんなコンディションでも、できるだけ早い段階でトップに立つようにする。
───この5月には日本で『横須賀W杯』が開催されます。
最後に日本のファンに向けて、何かコメントを頂けますか。
MI 日本に行くのを待ちきれない。そこにはどんなウインドの世界があるのか? 日本のレーサーと海上で会うのを楽しみにしているよ。
───マテオの成績は軽風から中風域では安定している。だが強風になると順位を落とす傾向が見られる。彼もそのことを自覚しているはずだ。アントワンをはじめ、強風になると速くなる選手がPWAには多くいる。強風のレースが続けば、マテオの連覇は難しくなる。
その壁を越えたい。本物の王者になるためには、越えなければならない。マテオはきっとそう思っているはずだ。『横須賀W杯』でどんな風が吹き、どんなマテオが見られるか。僕はできれば、ドン吹きの津久井浜で速くなろうとしているマテオを見てみたい。その高次元の進化の過程を。