濃密な想いと時間の記録『ウインドノート』見つけた
Text=Takayoshi “Yanmer” Yamamoto(HALE Surf & Sail_Enoshima)
家の大掃除をしていたときのこと、昔の『ウインドノート』を数冊、発見した。
波の中でのスピードの出し方、鋭く波を駆け上がるには、ループのコツ、セイルとボードを波に合わせるためのコツ、マウイで目撃したジェイソン・ポラコウのライディング分析、良さそうなボードやフィンのデザイン、いろいろ細かく書いてある。
けっこう笑えた。改めて「そういえば!」と思う部分もあるけれど「違うよねぇ」ということの方が圧倒的に多い。
でも熱くなった。当時の熱がビンビン伝わってきた。そういやぁ24時間、純粋にウインドサーフィンのことしか考えてなかったな、あの頃は、と思う。当時見ていたウインドのある風景や、一緒に乗った仲間の顔が浮かんでくる。
昔はよかったねー、と言いたくなるところだけど言わない。今も、そう、この時間も、それを作ることは可能であり、オレは体験することができるのだ。もっと大切にしよう。
最近どう? 自分に訊く。ただ何となく、ふわふわっとウインドしてるかもしれない。純粋にウインドのことを考えている時間は、一日のうちにどれくらいあるだろう?
『ウインドノート』に勝手な持論が残っていた。
ウインドをしている時間(考えているときも含む)× 密度=上達のスピードと受け取れる楽しさになる。少し大きめのその文字は太くもあり、そこに強い筆圧が見てとれる。それはかなり濃密な想いと時間の記録だ。
再開しよう。2022年版の『ウインドノート』を作ってみよう。
みなさん、新年おめでとうございます。今年もよろしく。
─── 山本隆義(ハレ サーフ&セイル_江の島)
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