DÉFI WIND of Gruissan 2019
Long Distance, Windsurfing Hi-Speed Marathon
May 30 – June02 / Gruissan, Narbonne, France
All Photo by defiwind.com
1,200名で1日40km × 2レースって、おいおい
この3月、日本(沖縄県宮古島)でも開催された『デフィウインド』が、本家本元のフランス・グリュイッサンで開催されている。今回で19回目を迎えるこの大会は年々その規模を拡大し、今年はなんと1,200名のエントリーを集めているという。プロもアマチュアも男子も女子も関係ない。参加者全員が一斉スタートでゴールを目指す。1,200名が、だ。そして遠く(たぶん10km先)に打たれたマークを回って、またスタートエリア付近に打たれたマークに戻る。そんな行って帰っての直線的なコースを往復(たぶん2往復)して、40km先のゴールを目指すのだ。距離的にはほぼマラソンで、規模からいえばまさに世界一の草レースであり、世界一のウインドイベントのひとつといっていい。
エントリー・リストを見ると、マルコ・ラン、アンドレア・クッキー、ビヨン・ダンカベック、デルフィン・カズンなど世界のトップレーサーの名前も多くある。日本や韓国で行われたPWAワールドツアーから、この地に飛んできた選手も少なくないみたいだ。彼らも「みんな」と一緒にスタートする。一般レーサーたちは、一瞬でも彼らとバトルしてみたいと思うことだろう。このレースならそんな一瞬を現実のものとして体感することもできる。
5月30日、大会初日。幸先よくレディ・トラモンターナの風(地中海に吹く北~北東の風)が吹く。風速は20~25ノット。プロ選手の多くは6.3~7.7㎡のセイルをチョイスしたみたいだ。14:00に第1レースがスタートし、5:40に第2レースがスタートした、とプレス・リリースには書いてある。おいおい、40kmのロングディスタンス・レースを1日2回? 大丈夫か、みんな。例えば10kmをスタボーだけで走るとどういう感じになるのか。途中で逆タックで走りたくなるかもしれないし、軸足が疲れてピクピクするかもしれない。やっとジャイブマークを回ってタックを変えたら変えたで、身体がギクシャクとロボットのようにしか動かずに、上手くフォームを作ることができないかもしれない。
やってみなければわからないことがたくさんある。そのぶん、やってみて感じる達成感も大きいはずだ。だからこのレースは人気がある。レースのあいだ中、レース海面は彼らが刻んでゆく航跡で白く泡立つ。レースが終わればその泡は消えてしまうけれど、そのときの景色は選手それぞれの胸に刻まれ、何年経っても思い出を引き出すためのスイッチとして機能することになる(たぶん)。日本からも何人かの選手が参戦している。その気になれば誰でも出られる。そういうレースが毎年フランスや日本やボネールで行われている。あなたもいつか・・・まあそういうレースがあることを頭の片隅にでもストックしておいてください。
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