須長由季、横須賀市民の応援を力に2度目の五輪へ

活動資金500万円の寄付集まる

特派員報告=神奈川県横須賀支部
安池裕之(タウンニュース横須賀)

『須長由季選手激励式』12月11日、横須賀市役所
『須長由季選手激励式』12月11日、横須賀市役所

1年延期となった東京五輪に出場が内定しているセーリング女子RS:X級(ウインドサーフィン)須長由季選手の激励式が12月11日、横須賀市役所で開催された。

須長選手は全4戦で競われた選考レースの総合成績で日本人トップとなり、2月に五輪代表内定を勝ち取ったのだが、喜びも束の間、新型コロナの影響で東京五輪の開催延期という前代未聞の事態に見舞われた。これにより準備期間も延伸し、活動資金の不足が顕在化、問題をクリアするために「横須賀市体育協会」と地元経済人でつくる「須長由季 横須賀市民応援団」が夏頃からクラウドファンディングなどの手法で募金活動を展開していた。

結果、両団体が集めた寄付金の合計は499万円。この日の激励式で同資金が須長選手に手渡された。主な使途は練習のための海外遠征費やコーチ費用、用具一式の購入費になるとのこと。多くの人のサポートを受けて本番に挑む須長選手は「辛い状況にあるが励みになる。〝横須賀魂〟でメダルをと獲りたい」と壇上で意気込みを語った。

2012年のロンドン大会以来、2大会ぶり2度目の五輪出場となる同選手は、大手服飾メーカー「ミキハウス」所属の社員アスリートで、普段は「さいか屋横須賀店」に勤務している。晴れのレースまではあと7ヶ月ほど(RS:X級のレースは2021年7月25日にスタートする)。残された時間の中で自分の戦闘力を高めることに集中し、本番レースにはフルパワーで臨んで欲しいと思う。彼女が乗り馴れた江の島沖で爆発することを期待したい。

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須長由季_Yuki Sunaga(JPN-470)1980年12月28日、埼玉県生まれ。明治大学入学後にウインドサーフィンを始め、インカレ二連覇。卒業後ヨットの470級でオリンピックを目指したのち、RS:X級に転向(ウインドに復帰)。2012年同級でロンドン五輪日本代表に(21位)。’15年本格的にスラロームを始め、ジャパン・サーキットとPWAツアーにデビュー。’16年には『トヨタ・ジャパン・カップ』でJWAツアー初優勝を遂げる。2018年JWAスラロームランキング1位。2020東京五輪RS:X級日本代表。株式会社ミキハウス所属。171cm、62kg。

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