『インカレ関東支部予選』全国大会出場者決まる
特派員報告=日本学生ボードセーリング連盟
広報・櫻井玲海(日本大学)
(10月2日~3日、神奈川県 湘南逗子海岸)
【海況】●10月2日:南東のサイドショア2~3m/s、台風16号が残したうねり有り/●10月3日:北東のオフショア、うねり無し。午前の風速4~5m/s(ストラップ、ハーネスを使えるプレーニングレース)午後の風速1~3m/s(要リーパン、マスパン) ※編集部注▶︎リーパン=リーチパンピング=セイリングフォームをキープしたまま、マストの位置をほぼ固定した状態で行うパンピング。体を小刻みに振動させることで、セイルのリーチ部のみを開閉させて推進力を生み出す。主に2~4m/sの風域で用いる ▶︎マスパン=マストパンピング=マストの位置を固定せず、セイル全体を大きく動かす(漕ぐ・扇ぐ)ことで、強い推進力を生み出すテクニック。主に0~2m/sの風域で用いる。
|| ボーダーライン越えを目指して最後まで
先週末『インカレ関東支部予選』が逗子海岸で行われ、男子98名中の上位48名と女子44名中の上位30名が11月に行われるインカレ個人戦(全国大会)の出場権を獲得しました。
予選通過人数が予め決まっていた今大会は、独特な緊張感に包まれていました。男子は8レース、女子は7レースを消化したのですが、レースごとに各大学のメンバーがまとまって戦略などを確認したり、アドバイスを送りあったりと、そこかしこでこのレースに向けた強い姿勢が見受けられました。
有力選手はトップを、あるいはシングル入りを目指し、それ以外の選手もボーダーラインの上(男子は48位以上、女子は30位以上)を目指し続ける。そんな大会は滅多になく、最後まで捨てレースを意識することなく戦いきった選手らは、おそらく全員がこれまでに得られなかった何かを掴んだものと思います。
|| 男子は三浦圭(明大4年)女子は柳川真奈(上智大3年)が優勝
男子で優勝したのは三浦圭(明治大学4年)。1位3回、2位3回、準優勝の岡本大成(慶應大学3年)に23ポイントの差をつけての圧勝でした。これまでの実績と下馬評通り、三浦の走りは高いレベルで安定しており、特に2日目のプレーニングレースでは、2位の選手を大きく引き離してダントツのトップフィニッシュ。その時間差で周囲を驚かせ、あきれさせるほどでした。
その他で目立ったていた選手を挙げるとすれば、藤原拓斗(青山学院大学4年)でしょう。初日の3レースを終えた時点では、1位2位2位で暫定トップに立っていました。その後二桁順位を4つ重ねてしまったのは痛恨でしたが、おそらく改善点は明確になったはず。それを全国大会に活かせれば驚きの結果につながるかもしれません。
女子は接戦。柳川真奈(上智大学3年)と小野たえ(早稲田大学4年)が同ポイントでレースを終えましたが、トップフィニッシュの回数(柳川2回、小野1回)で上回った柳川が優勝を勝ち取りました。スタートから頭ひとつリードして、最後まで漕いで漕いで漕ぎまくる。まるで3年生とは思えない力強い走りでした。9月に行われた『ジャパンカップ』から2連勝。いま注目のテクノ女子です。
いや、それにしても小野は惜しかった。海面を読む力、艇速では他を圧倒していたのだけれど、唯一柳川とのトップ争いに屈してしまった。二人の女の戦いは今後さらに激しさを増していくことでしょう。
そしてもう一人、紹介しておきたい選手がいます。2年生でありながら女子8位に入賞した岡朋加(明治大学)。上級生を凌ぐ走りでトップフィニッシュ1回、シングル3回は立派すぎます。今後台風の目になる存在かもしれません。周囲からのマークはきつくなると思うけど、負けずに下克上活動を続けてほしいと思います。
インカレ個人戦(全国大会)は11月16日~18日、沖縄奥間ビーチで開催されます。学生日本一は誰か? 関東支部のみんな頑張れ! 学連関東支部ファンのみなさま(いるのか?)応援よろしくお願いします。
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▶︎〈学連ウインドニュース 2021.09.29号 / 2020『インカレ関東支部予選』開催決定〉
▶︎〈学連ウインドニュース 2021.05.14号 / 2020『インカレ新人戦』開催決定〉