世界初 完全オンライン無観客ウェイブコンペ開催!

Live Stream Wave Competition In Omaezaki
御前崎から世界へ、全ヒートをライブ配信
※ 本大会は新型コロナウィルス感染予防のため中止が決定されました。

Takara Ishii(J-20_20 y/o)
Takara Ishii(J-20_20 y/o)

世界でも日本でもことごとく試合がキャンセルされている。もう一年以上もそんな状態が続いているのは、もちろんコロナウィルスのせいであり、いつ新しいシーズンが開幕するのやら、その見通しすらたっていない。

そんな状況下でプロ選手たちが何をしているのかというと、普段はできないトレーニングをしたり、フリーセイリングを楽しんだり、ビッグウェイブライドに挑戦したり、ウインドトリップに出かけてみたりして、その様子をメディアに露出することでウインド界のインフルエンサー的役割を果たそうとしている。

けれど彼らにとっての主戦場はもちろん試合だ。野球やサッカーや、屋内で行われるバスケットボールなどまでが様々な対策をしてファンに本気のゲームを見せる努力をしているなかで、ウインドサーフィンだけがただ風に吹かれるままに時を待っているわけにはいかない。動かなければいけない。何かを始めなければならない。何よりトップを争うヒリヒリした戦いのなかに身を置かねば、プロとしてのプライドや上昇志向が錆びついてしまう恐れがある。

そして彼らは動いた。「彼ら」とは日本のプロウェイバーと関係者たちだ。今できることをすべてやって試合をやる、真剣勝負をファンに届ける、と決めたのだ。

Takuma Sugi(J-7_18 y/o)
Takuma Sugi(J-7_18 y/o)

|| 御前崎から世界へ、全ヒートをライブ配信

▶︎大会名は『第1回 Live Stream Wave Competition In Omaezaki』/ 試合は2月11日(木)~2月14日(日)のコンディションのいい日に御前崎ロングビーチで行われる / ギャラリーは募らず完全無観客試合とし、代わりに完全オンライン(『 Live Stream 』)で、すべてのヒートをライブで世界に配信する。

ウインドサーフィン界では世界初の試みだ。彼らは「小さな一歩」と言うけれど、大事な最初の一歩である。

すでに世界も注目している。IWT(International Windsurfing Tour)はこの試合の模様をシェアするとともに「今年4月に日本でスタートするIWTウェイブツアーのテストケースとして真剣に捉えている」。ウインド界の新しい試合様式が、日本から世界に波及していく可能性は十分にある。

▶︎参加選手は── 石井孝良(J-20)、杉匠真(J-7)、白方優吏(J-136)、吉武雅博(J-134)、小林悠馬(J-100)、野口貴史(J-39)、石井颯太(J-27)、生駒篤樹(J-1444)、鎌田良太(J-140)、田坂裕司(JPN-167)/ 佐藤素子(J-0)、笹尾香南(J-8)、多賀須恵(J-1770)、森美奈子(J-375)── メンズ10名 / ウィメンズ4名。

少数精鋭、日本のトップウェイバーの戦いになるわけだが、今回注目すべきはその中にすでに世界レベルにあり、さらに世界のトップを目指している選手が数名いるということだ。それが誰なのか、中継を見て確かめてほしい。

Yushi Sirakata(J-136_24 y/o)
Yushi Sirakata(J-136_24 y/o)

|| 世界レベルの日本選手を確かめよ

トップを狙う彼らのウェイブライディングには、まずスピードがある。だからこそボトムターンでレイルを長く使うことができ、身体を内傾させたカッコいいフォームが取れる。また風と波との角度によっても変わってくるが、多くの場合彼らが波に描くラインは深く鋭角で、あえて波のクリティカルな(リスクの高い)ポイントに突っ込んで、そのクリティカルなポイントだからこそ得られるパワーを利用して、ビッグエアーをメイクすることもできる。かつては仕掛けるだけで歓声の上がった3Dムーブ、リップ360、ゴイター、タカスライドなどもクリアにメイクしてくるはずだ。

ジャンプだってこれまでの日本選手とは違う。高さが全然違うのだ。昔なら “飛べない、飛ばない” でも日本の大会に勝つことは可能だったが、世界を目指す彼らは「高さがなければジャンプじゃない」と思っている。例えばバックループひとつにしても、惰性で飛んで惰性で回るのは(彼らにしてみれば)簡単だけれど、空高く飛んで、空中で回転をコントロール、ジャストタイミングで着水するのは難しく、だからこそそれをメイクしなければ高得点は得られないと思っている。

今大会では高さのあるレイトフォワードやダブルループ、もしかしたらプッシュフォワードまで、世界の必殺技のいくつかが見られるかもしれない。たぶん見られる。

彼らは無観客の御前崎で、世界のギャラリーや世界のウインド関係者をイメージして演技することになる。きっとテンションが上がり、アドレナリンの迸りを抑えることもできなくなる。彼らのウェイブパフォーマンスは、彼ら自らと御前崎のポテンシャルの高さを世界に証明するものとなるだろう。

いい時代になったものだ。僕らはそのヒリヒリする戦いをコタツでみかんを食べながらぬくぬくと観戦できるのだ。見ないわけにはいかない。それはきっとステイホームの充実した数時間になるはずだ。お楽しみに。

Hatata Ishii(J-27_15 y/o)
Hayata Ishii(J-27_15 y/o)
Motoko Sato(J-0)
Motoko Sato(J-0)

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Live Stream Wave Competition / Trailer