トップライダーの言葉_18 / 佐藤素子(J-0)

目標はメンズプロ、頑張り続けると必ず嬉しいことがある

2004年、マウイで行われたPWAワールドツアー『ハワイプロ』に優勝し、ワールドカップを手にした初めての日本選手になった。それは紛れもなく、ひとつの大きな達成だった。それから16年、彼女は今も日本のトップレディスであり続け、世界への挑戦も続けている。佐藤素子───燃え尽きることがなく、進化を続ける彼女のウインドサーフィンに対するモチベーションの源はどこにあるのか? 以下、2006年の彼女のコメントである。

Motoko Sato(J-0)@ Hookipa, Maui, Aloha Classic 2018 / ⒸIWT_Si Crowther
Motoko Sato(J-0)@ Hookipa, Maui, Aloha Classic 2018 / ⒸIWT_Si Crowther

「上を目指す気持ちが強いんだと思います。人一倍負けず嫌いなのかな。逃げ出したくなるときやへこむときも多いけれど、そこで頑張り続けると必ず嬉しいことがある。それが楽しいのかもしれません」

「日本では御前崎、世界ではマウイ、常にレベルの高いところに身を置くように努力して、その中でもメンズプロを目標にしています。そうすることによって自分のレベルの低さを実感するし、努力することもできる。メンズには到底及ばないけれど、いつの間にか自分のレベルが確実に上がっていることに気づきます。それを続けてきたことで、今の自分がいるのかもしれません」

───当時お母さんになったばかりだった彼女はこうも言っている。
「今までと同じようには練習時間が作れなくなったけれど、海の上では変わらず、もっと上を目指していきたい。もちろん母という大きな役割がひとつ増え、選手としてのモチベーションをキープするのは難しくなると思います。でも母は強しと言いますが、その通り。その強さが精神的にプラスになれば、今まで以上の活動ができる気がします。それが新たな目標にもなりました」

───今後のヴィジョンは?
「年をとってもたくさんの波に乗りたい。60歳になっても自分をプッシュしていたいと思います」

佐藤素子は燃え尽きない。おそらく今も「自分のレベルの低さを実感」しながら、今の自分なりに目標を見据えて努力している。その先には「必ず嬉しいことがある」と信じている。勝ったことではなく、そう信じてそうなったということが彼女にとっての一番の成功体験であり、一番のモチベーションの源なのだろうという気がする。彼女の思考のベクトルは、いつでも未来を向いている。

▲佐藤素子_Motoko Sato(J-0) 1972年4月9日、福島県生まれ。大学入学時にウインドサーフィンを始め、卒業後、静岡県御前崎に移住。さらに毎年3ヵ月以上のマウイ合宿を実践し、ウェイブセイリングの腕を磨く。'04年『PWAハワイプロ』優勝、W杯を制した初めての日本人となる。'98~’19年まで、2度の出産年を除き、19回に及び年間王座を獲得。'19年のマウイW杯でも3位となった日本の絶対女王。165cm、56kg/ Motoko Sato(J-0)@ Hookipa, Maui, Aloha Classic 2018 / ⒸIWT_Si Crowther
佐藤素子_Motoko Sato(J-0) 1972年4月9日、福島県生まれ。大学入学時にウインドサーフィンを始め、卒業後、静岡県御前崎に移住。さらに毎年3ヵ月以上のマウイ合宿を実践し、ウェイブセイリングの腕を磨く。’04年『PWAハワイプロ』優勝、W杯を制した初めての日本人となる。’98~’19年まで、2度の出産年を除き、19回に及び年間王座を獲得。’19年のマウイW杯でも3位となった日本の絶対女王。165cm、56kg/
Motoko Sato(J-0)@ Hookipa, Maui, Aloha Classic 2018 / ⒸIWT_Si Crowther

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Aloha Classic 2019_1st=Sarah-Quita Offringa(ARU-91)/ 2nd=Iballa Ruano Moreno(E-63)/ 3rd=Motoko Sato(J-0)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com
Aloha Classic 2019_1st=Sarah-Quita Offringa(ARU-91)/ 2nd=Iballa Ruano Moreno(E-63)/
3rd=Motoko Sato(J-0)/ ⒸJohn Carter_pwaworldtour.com

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