EQuipment Report
F-Hot / RS-3 Fin_Ross Williams_Interview
───ロス・ウィリアムス。「ミスター・コンスタント」の異名をもつ彼が、今季PWAワールドツアー・スラローム第四戦、フェルテベンチュラ大会で3位の表彰台に昇った。各レースでの順位は以下の通り。
注目すべきは強風下で行われた全8レースで、2度トップフィニッシュを果たしていることだ。
大男揃いのPWAにあって186cm、86kgのロスは、それほど大きな選手ではない。それなのに成績は安定しており、時に大爆発することができる。周囲に遮るものが何もない、砂漠の縁に広がるフェルテベンチュラの海面は、風が強まればひどくチョッピーで厄介な海面になる。そこでは人のパワーなど通用しない。「安定性をキープすること」こそがスピードにつながる。ロスはそのことを見事に証明してみせたのだ。
───今年もフェルテヴェンチュラのコンディションはよかったみたいですね。
ロス・ウィリアムス(以下:RW)いい風だった。ただ7.1㎡とミディアムボードでより多くのレースをした去年(去年は全9レース、今年は全8レース)に比べれば、全体的には少し弱かったかもしれないけど。でもそれにしたってフェルテヴェンチュラはいいところだ。少なくともPWAツアーの中ではベスト・スラローム・ポイントだね。
───フィンの調子は?
RW 今季はF-Hotのフィンのみで戦っているわけだけど、すごく満足している。なかには風が強くなったときにG-10フィンに変える選手もいるけれど、F-HOTの『RS-3(カーボンフィン)』は常にパワフルで、しかも足元でコントロールしやすいからその必要を感じない。風が強くなるほどそのメリットを感じやすくもなるからね。
───あなたはそのフィン(RSシリーズ)の開発とテストに参加しているんですよね。
RW イエス。この3-4年、スティーブ・クック(Steve Cook)と共にRSシリーズの開発を続けている。
僕らはこのフィンに自信をもっているし、自信を深めている。世界で一番コンスタントに高性能を発揮し続けるカーボンフィンだと確信している。
───日本のウインドサーファーに、フィンのサイズ選びのアドバイスを。
RW 難しく考えることは何もない。今使っているのと同じサイズのF-HOTフィンを使えばいいだけだ。それが一番セイフティなチョイスだと僕は思う。『RS-3』は常に極めてコンスタントなパワーを供給し、どんなにガスティな風の中でもトラブルを抑制する。今回のフェルテベンチュラでそのことを証明できたんじゃないかな。
───次のレース(9月、デンマーク)でもいい走りを。そして年間ランキングでも上位になることを祈っています。
RW 現時点でのオーバーオール・ランキングは4位。そして僕の道具は期待通りに機能してくれている。去年と同じようにトップ3でシーズンを終えられるように頑張るよ。
───安定性とスピード性はトレードオフの関係にあると思われがちだが、人がほぼダイレクトに道具を扱うウインドサーフィンではそうではない。まず道具が安定しなければ、速く走ることなどできないのだ。
ロスは水中で静かにパワーを安定供給するフィンの開発を続けている。足元を安定させることで、ボードとセイルをさらに安定させようとしている。そしてそのフィンは、今や世界トップレベルのスピードを実現した。
彼は言う。「それはそのフィンが乗り手を最大限にサポートするパーツとして機能するということでもある」のだと。
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