【 ひと冬越すと上手くなる? 】

|| 継続の、進化の春を迎えるために

「冬の海に出ると上手くなる」そう言われたことはありませんか。僕はあります。「またまたぁ、何を根拠に?」と思ったものです。でもあんまり何度も言われるものだから「なぜ、どうして?」と何人かの先達に訊いて回ったことがあります。そして今は確信している。「それは経験に基づく口伝から広まり、伝説的に語られるようになった事実である」「冬は(時間:上達)の効率が高まる」と。以下、その根拠について。

1_HS16_sl_JPN212_0590
Shinya Kunieda(JPN-22)Ⓒpwaworldtour.com_John Carter Photography

▶︎冬の北風は太平洋岸の多くのポイントでオフショアになる
01)海面がフラットに整えられる。
02)ボード操作がラクになり、セイルトリムに集中できる。
03)ハーネスワークを覚えやすい。
04)プレーニングも覚えやすい。
05)フラットな海面を走るブローの筋が見えやすい(風に対する視力が高まり、自然とのシンクロ力も向上する)
06)ジャイブでレイルが入れやすい。
07)とにかくウインドサーフィンが簡単になる。
▶︎冬の風は重い
08)冷えた空気は下降して、海面付近の空気の密度が高くなる。よって冬の風は重くパワフルになる。
09)低い風域からボードがプレーニングし始める。
10)コンパクトな道具が使える。
11)ジャイブやフリスタトリックなどをメイクしやすい。
▶︎西高東低の気圧配置がウェイブコンディションをもたらす
12)ウェイブをするチャンスが増え、台風のときよりもコンディションが安定するぶん、乗りやすい。

めっきり寒くなってきましたね。でも冬の海から上がった後の熱いシャワーは、何ものにも代えがたい幸福感と達成感を浴びるようなもの(ですよね)。無理せず、身体の準備を整えて、この冬をいい冬にしてください。そして再開ではなく継続の、退化ではなく進化の春を迎えられるといいですね。

2017-02-04
Ⓒpwaworldtour.com_John Carter Photography

Windsurfing Magazine
ウインドサーフィン マガジン