『ANA 横須賀・三浦ワールドカップ』大会5日目(最終日)_11月12日(火)

Fly! ANA Windsurfing World Cup YOKOSUKA MIURA
Men & Women Foil Slalom / November 08-12 / Tsukuihama Beach, Yokosuka, Japan / Photo by John Carter_pwaworldtour.com

|| まずは戦えるフォイルがなければ上位進出は望めない

ウインドサーフィン・マガジン
Akira Kudo(JPN-9)| Sana Saeki(JPN-71)

昨日から続く弱い北風は、徐々に東回りで南寄りに変わっていった。この地域では東へ回ると風が落ちることが多い。残念ながら最終日も風は上がらず、男女ともに第4イリミネーションまでの成績をもって大会は終了した。

期間中レースを行えた2日目、3日目は4~8m(8~16ノット最大19ノット)とワールドツアーでは中風域だが、この時期特有の安定した北風の中でヒートが進行し、昨年のような爆風こそなかったものの、選手は集中力を切らさず2日間を戦い抜いた。そして最終的にはツアー常連の海外勢が終始安定したスピードで上位を独占する結果となり、日本選手にとっては各イリミネーションでのファイナル進出が高い壁となった。

今年からフォイルとフィンは別のレースとして行われてきたが、選手にとっては戦えるフォイルを揃えるのは簡単なことではなかったようだ。とくに日本選手はフォイルそのものの進化やレギュレーションの変更、そして何より価格の問題もあり、道具を揃える段階で多くの課題に直面していたようだ。

フォイルとフィンのレースでの住み分けがどう変化していくのか、今後も議論の余地があり楽しみでもある。今大会のファイナリストの顔ぶれは納得のいく選手ばかりで、圧倒的なスピードとミスないレース運びは賞賛に値するものだった。来年は日本選手のファイナル進出を期待したい。ワールドツアーを盛り上げる一員として活躍し、さらにワクワクさせてくれるレースを見せてほしいと思う。

Fly! ANA Windsurfing World Cup YOKOSUKA MIURA
Voice 4_Akira Kudo(JPN-9)/ 2024.11.12
Interview by Keizaburo Suzuki

工藤輝 /「もう少し競い合うレースがしたかった」
昨年はヨーロッパへ長期遠征を行い、今年はホームゲレンデをこの津久井浜に移してワールドカップに備えてきた。「もっとレースをしたかった」と本人が言う通り、2日間では物足りなかったかもしれない。第1マークをいい順位で回ったあとでセイルを落としてしまうなどのミスもあったが、昨年よりスピードは確実に向上していた。それだけに悔しさも大きかっただろうと思う。最終結果は22位。


Voice 5_Sana Saeki(JPN-71)

佐伯さな /「スタートで遅れて、引き離されて、ただ悔しい」
「強風には強い」という評判どおり、昨年のワールドカップでは爆風下のレースで日本女子トップの成績を残した。今年は風に物足りなさを感じていたのか、順位を上げることができず23位で大会を終えた。しかしまだ19歳。伸び代は大きいはずだ。今後も期待したい選手である。


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