バーンド・ロディガーに訊く

2024 SPICARE OMAEZAKI JAPAN WORLD CUP
Winner_Bernd Roediger(US-1113)Interview

非常識を常識に変えるイメージセッター B.R.「新起源」

大会6日目(2月24日)の風待ち時間にバーンド・ロディガーに話を聞く機会を得た。バーンドは2日目のプロクラスで全ヒートトップの完全優勝を決めていた。普段はマウイのサイドショアでダウン・ザ・ラインしているバーンドが、御前崎のオンショア・ジャンクな海面で1番の演技をし続けたのだ。なぜそんなことができるのか?

僕はバーンドを紹介する際に、キャッチとして次のようなフレーズを使うことがある。「型を崩しても形なしにならず、非常識な動きをスタイリッシュな常識に変えるイメージセッター」彼のそのようなスタイルを支えるものは何なのか?

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Bernd Roediger(US-1113)/ ⒸAkihiko Harimoto

これまでのウェイブパフォーマンスは、どちらかといえばクラシカルなラインのレベルを上げることで進化してきた。でもバーンドは違う。彼の動きは予測できない。この波でこのアプローチなら次はこの技か、と思うと全然違うことをしたりする。それがスタイリッシュでかっこいいと多くの人が認めている。僕はバーンドこそがウェイブの歴史の分岐点なのではないかと感じている。バーンド以前とバーンド以後でウェイブの歴史が変わるのではないかと。

バーンドは文学的で哲学的な人だ。時々彼が発表する大会レポートを見ればそれがわかる。彼が記す文章は、従来のレポートの枠には収まらず、選手の心の中や見えない何かを探るようなものになることが多いのだ。たとえ試合のことはあまりわからなくても、僕は彼が記すそのような文章を興味深く思う。

そんな彼だから、ありきたりの質問ではつまらない。もしかしたら途中で飽きられてしまうかもしれない。ならばと割り切って、僕は比較的長めの質問をすることにした。質問にならないような質問もした。抽象的に過ぎる質問もあったと思う。でもバーンドは、どんな質問にも思考を巡らせ、真摯に答えを探してくれた。おそらくウェイブライダーはもちろん、すべてのウインドサーファーに何らかのメッセージを伝えようとしてくれた。それが何か? この動画を見て確かめていただければと思う。


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