『ANA 横須賀・三浦ワールドカップ』Day 5(11月14日|火)

Fly! ANA Windsurfing World Cup YOKOSUKA MIURA
Men & Women Slalom / November 10-14 / Tsukuihama Beach, Yokosuka, Japan / Photo by John Carter_pwaworldtour.com

|| この5日間『世界』は津久井浜にあったのだ

ウインドサーフィン・マガジン
Amado Vrieswijk(NB-20)

大会5日目、最終日。朝からの2~3m/sの風は上がらず、レースはキャンセル。これにより前日までの暫定順位がそのまま最終結果として確定した。と、普通はそうなるのだが、今回は違った。

昨日まで「ほとんどミスしない男」として優勝争いを続けていたヨハン・ソー(DEN-37)が、PWAが大会ごとにランダムに行っているセイルチェックに引っかかり「申告されているセイルサイズをオーバーしており、改造もなされている」とのことから失格となってしまったのだ。かなりショッキングな出来事だったが、PWAはこのようにして公平性を担保しているのだ。

実は今日の朝のスキッパーズミーティングの後には、大会運営サイドと選手・メーカーによる道具の規定に関する議論がなされていた。かなりの時間、活発に意見が交わされていたみたいだ。

フォイルが生まれ、フィンではフォイルに歯が立たなくなり、さらにフォイルが進化を続けている現状では、レギュレーションが厳格になり、また状況に合わせて変化していくのは自然な流れといえるだろう。ファンの多くが望むのは、PWAワールドツアーが世界一を決めるにふさわしい真剣勝負の場所であり、ウインドサーフィンを魅力的に見せてくれる舞台であり続けて欲しいということだ。それは間違いなくこのスポーツの普及と発展にもつながることだろうと思う。

大会は終わった。昨年のこの大会でツアーを引退したスピードキング、アントワン・アルボーや、腰の不調で参加できなかった日本の王者、浅野則夫の姿がなかったことには少し寂しさを感じたが、人と道具と自然によるウインドサーフィン・システムは、今尚とんでもなく進化していると実感でき、目撃できた大会だった。

日本と世界は遠いとも感じたが、女子のレースでは多くのヒートで日本選手がファイナルに進出、あとひとつ、何かが変わればと、未来への可能性を感じさせてくれもした。

とにかくこの5日間、世界は津久井浜にあったのだ。夢のように思える。来年もまたここで。

(大会リザルトはこちらから『Results』へ)
(年間ランキング男子)
(年間ランキング女子)

ウインドサーフィン・マガジン
『ANA 横須賀・三浦ワールドカップ』男子トップ3▶︎ 1位=アマド・ヴリスウィック(NB-20)/ 2位=マテオ・イアチーノ(ITA-140)/ 3位=ダニエル・ベネデッティ(ITA-60)
『ANA 横須賀・三浦ワールドカップ』女子トップ3▶︎1位=リナ・エルジェン(SLO-51)/ 2位=ブランカ・アラバウ(E-3)/ 3位=ジャスティン・レメテイヤー(F-171)

Windsurfing Magazine
ウインドサーフィン マガジン