みんなのフォイル

NEW EQuipment 2021
FANATIC / FLOW
ファナティック / フロー

Jose Gollito Estredo(V-10)on FLOW Foil / ⒸFanatic_John Carter
Jose Gollito Estredo(V-10)on FLOW Foil / ⒸFanatic_John Carter

||フォイルはレーサーだけのものではない

フォイルの進化が加速している。2017年にPWAの正式種目となり、2024年からはオリンピックでも採用されることが決まったフォイルは、特にスピード性やそれに伴う高速安定性という点で格段に性能を向上させている。つい5年前と比べてもそれが遥か昔のことに思えるくらいに。そしてその間にフォイルのイメージは変化し、乗り方も変わった。今ではレース用のハイスペック・ギアという印象が強くなり、レーサーたちはアンヒールさせたボードの上で大きなセイルをカイトさせて滑空している。

「カッコいいけど、難しそう」未経験者の中にはそう感じる人も多いだろう。それでいいのか? いいわけがない。フォイルの揚力発生効率はセイルのそれの比ではない(『驚くべきフォイルの揚力発生効率』の項参照)。だから小さなセイルでも浮き上がることができる。誰でもライトウインドから練習を始められ、誰もが段階を踏んで楽しめるようになっていく。それがフォイルの大事なセールスポイントのひとつであったはずだ。

レーシングの世界で向上したフォイル製造のテクノロジーやノウハウは、多くの一般ウインドサーファーのためにフィードバックされなければならない。

ファナティックのプロダクト・マネージャーであるダニエル・エベリ(Daniel Aeberli)にはおそらくそういう思いがあった。今期1000と1500の2サイズを加えてラインナップ(他に900と1250がある)を完成させた『フロー』フォイルについて、彼は以下のように語っている。

Jose Gollito Estredo(V-10)on FLOW Foil / ⒸFanatic_John Carter
Jose Gollito Estredo(V-10)on FLOW Foil / ⒸFanatic_John Carter

||ブレないフォイルが上達を早める

───「ビギナーからハイレベルなセイラーまで、すべての人たちをカバーするフォイルがなくてはいけない。ビギナーが犯しやすいミスに寛容で、早く上達することで自信をもたらし、上手くなっても自由を満喫できるフォイルが。

そのために設計したのが『フロー』フォイルだ。効率の良いカーボンウイングを備えたそれは、乗り手の風域を広げ、コントロールしやすく、スムーズなターンを実現する。本当だ。高品質・高強度・高硬度のアルミを用いたマスト、フューサレージ、そのほか全てのパーツにも改良を加え、全体的なパフォーマンスが著しく向上している。見た目にはわからない部分もあるけれど、テイクオフしてみればすぐに違いを感じられる。

もちろん素材はパズルの一部だが、それが大きな違いを生むこともある。カーボンにもアルミにも様々なグレードがあり、私たちはカーボンはもちろん、アルミにもドイツ製の高級素材を採用している。それは一般的なアルミに比べて30%も剛性が高く、カーボンでさえもその強さ(硬さ)を凌駕するのは難しいと言われるものだ。だからフライト中にもブレがない。安定している。しかも価格を抑えることができる。

もうひとつ重要なことは、最弱部となり得る各パーツの接続部をどうするかだ。私たちはその部分にステンレス製のヘリコイルスレッド(ネジ溝が潰れにくく、寿命の長い雌ネジ。菱形断面の線材を巻いたスプリングのような形状で、IT製品関連、航空宇宙関連製品などに使用されている)を採用した。それぞれのネジは1.2トンの荷重にも耐え、より密着した接続を可能する。これにより組み立てたフォイルは、一体成型フォイルのようなライディングフィールをもたらす。

レーシングフォイルとの違いを説明し始めるときりがないので省略するけれど、つまり『フロー』フォイルは、軽風でも強風でも、常に極めて安定した状態でフライトできるようにデザインされている。それはフォイルを楽しみたいと願う全てのウインドサーファーに大きなメリットをもたらすはずだ」───

あなたはそのフォイルの上に立ち、必要最小限の動きを覚えるだけでいい。ブレる道具の上で本来不要なトリムを覚えていくよりも、遥かに早く上達でき、風や海面の影響を受けにくいフォイルならではの自由を満喫できるようになる。

「フローは誰でもアクセスしやすく、シンプルにイージーに楽しめるフォイルだ」ダニエルはそう言っている。
 
 
3_F20_Flow1000のコピー||『FLOW』ディテイル・チェック

WINGS(フロント & バック ウイング)
▶︎最大レベルの「曲げ強度」「ねじり剛性」を実現する30°レイアップ設計
▶︎マキシマム・パフォーマンスを実現
▶︎軽量構造
▶︎防弾性を有するほどの強靭な成形フォームコアとソリッドカーボンセンターピースを備えたフロントウイング
▶︎ソリッドUDカーボン製のバックウイング

FRONT WING CONNECTION(フロントウイング接続)
▶︎取り付けエリアが大きく、最大限に荷重を分散
▶︎摩耗、腐食を抑制
▶︎取り外し時のネジの固まりを防止(ハンマーいらず!)
▶︎フロントウイングの窪みにすっきりフィット

MAST(マスト)
▶︎ドイツ製、ハイグレード(Formula 1)アルミニウムマスト
▶︎ワイドな翼弦を有する特別なプロファイル
▶︎一般的アルミ製マストに比べ約30%剛性が向上
▶︎「カーボンのようなフィーリング」
▶︎パンピング時のパワーロスを抑制

BASE PLATE CONNECTION(ベース・プレート接続)
▶︎Formula 1 アルミニウム・フュージョン・テクノロジー採用。ドイツ製
▶︎マストとベースをねじ込み接着接続
▶︎ウルトラリジット(超剛性)高耐久構造
▶︎「ワンピースギアのようなフィーリング」

SCREWED CONNECTIONS(ねじ込み接続)
▶︎すべてのネジ接続に(ネジ溝が潰れにくく、寿命の長い)ステンレス・ヘリコイル・インサートを採用
▶︎M8ネジそれぞれにかかる1.2トンの負荷にも十分に耐えうる強度を実現
▶︎ねじとねじの間の腐食を抑制
▶︎ヘリコイルは交換可能
 
 
44
▶︎https://www.facebook.com/LoftsailsJapan

 

FLOW 900|FLOW1000
FLOW 900|FLOW1000
FLOW1250|FLOW1500
FLOW1250|FLOW1500

FLOW 900 ▶︎ 優れた安定性および使いやすさを組み合わせたフリーレースフォイル。全モデルに共通する90cmのアルミマストの特別なプロファイルとワイドな翼弦(マスト前縁から後縁までの長さ)により、フォイルの剛性とレスポンスが高まり、純粋なカーボンフォイルに乗っているようなフィーリングをもたらす。

FLOW 1000 ▶︎ 軽風から強風まで、幅広いコンディションで使えるオールラウンド・パフォーマー。スピード性も高く、それを生かしたターンもメイクしやすい。

FLOW 1250 ▶︎ 初めてのテイクオフから安定したフライトへ。エントリーレベルに最適なライトウインドモデル。弱い風、小さめのセイルから段階的に上達をサポートする。

FLOW 1500 ▶︎ ライトブリーズ(そよ風)からフライトを可能にするスペシャル・モデル。常識を覆すリフト性能と他のモデルと同様のスピード性を有する

❶ CARBON FRONT WINGS
❶ CARBON FRONT WINGS

CARBON FRONT WINGS(カーボン・フロント・ウイング)▶︎ 0°と30°、織り角度の異なるカーボンファイバーを重ねたフロントウイング。軽量かつダイレクトなフレックス・レスポンスにより、最大限のパフォーマンスを実現する。

BACK WING(バック・ウイング)▶︎ ウイングレット(winglet=両端の鉛直部)を備えた軽量フルカーボン・バックウイング。両翼の渦や振動を抑え、スピード性、起動安定性を高める。

MAST(マスト)▶︎ F1アルミニウム・フュージョン・テクノロジー・マスト。ドイツ製。翼弦(マスト前縁から後縁までの長さ)を広げた特別なプロファイルにより、一般的アルミマストに比べ剛性が30%向上。

❷ BACK WING|❸ MAST
❷ BACK WING|❸ MAST
❹ FUSELAGE|❺ HELICOIL-THREADS
❹ FUSELAGE|❺ HELICOIL-THREADS

FUSELAGE(フューサレージ=胴体)▶︎ ヘビーな負荷を分散させるための大きな取り付けエリアを持つアルミフューサレージ。ウイングとの接続性も完璧で、ブレのないフライトに貢献する。

HELICOIL-THREADS(ヘリコイル・スレッド)▶︎ マストとフューサレージの接続部にネジ溝の潰れにくいヘリコイル・スレッドを採用。長寿命、最大強度の密着接続を実現する。

GLUED AND SCREWED(グルー&スクリュー方式)▶︎ マストとベースプレートの接続はねじ込み式。密着度(一体化率)が高く、ブレのないフライトと最高レベルの耐久性を実現する。

WITHOUT POCKETS(ノーポケット接続)▶︎ フューサレージとウイングを接続するためのポケットを排除。当然その部分に腐食や摩耗は生じず「固まって分解できない」などの問題も起こらない。

TRACK FOIL MOUNT SYSTEM(トラック・フォイル・マウント・システム)▶︎ パワーボックスにもタトルボックスにも対応するベースプレート・システム。手持ちのボードにすぐにセットすることができる。ただしフォイルの使用を想定してデザインされたボードのみ。

BAG(保護運搬バッグ)▶︎ ウイング、マスト、フューサレージのカバーを含むフローフォイルバッグ。フォイルとすべてのアクセサリーを安全に運搬できる。

❻ GLUED AND SCREWED|❼ WITHOUT POCKETS
❻ GLUED AND SCREWED|❼ WITHOUT POCKETS
❽ TRACK FOIL MOUNT SYSTEM|❾ BAG
❽ TRACK FOIL MOUNT SYSTEM|❾ BAG

────────────── Windsurfing Magazine ─────────────── ウインドサーフィン マガジン ──────────────

Fanatic Windsurf Foiling Highlights 2020

Fanatic Flow Foil 2020

Fanatic Flow Windsurf Foil Range 2019