世界33の国と地域から全103名のレーサーが集結
マキシマムレベルのハイスピードバトルが始まる
All Photo by John Carter_pwaworldtour.com

第3回『Fly! ANA Windsurfing World Cup Yokosuka Miura Japan』が開幕した。初日は午前10時からレジストレーション(選手の出場登録)13時より開会式、その後はフォイル(レース)のスタンバイ。最終的には残念ながら「本日はノーレース」ということになったのだが、会場には平日にも関わらず多くのギャラリーが訪れ、ビーチは世界のトップレーサーと最新ギアにより華やかに彩られた。
今年は世界33の国と地域から103名の選手がこの大会にエントリーしている。去年までと少し違うと感じるのは、シンガポール、香港、韓国、タイ、中国など、アジア圏からの参加選手が増え、より国際色が豊かになったことだ。彼らも(フルタイムワールドカッパーである何人かを除く)日本選手と同様にここで世界に挑み、世界の中の自分の位置を確認する。そしてその後の進路を決めるための、重みのあるひとつの素材を手にすることになる。

ところで皆さん『スラローム63(シックス・スリー)』というのをご存知ですか? スラロームでは選手それぞれがサイズの異なる6枚のセイルと3本のボードを登録して、それで1シーズンを戦い抜くということを意味する言葉です。これは結構知られています。
ではフォイルはどうか? 同じように省略するなら『フォイル31(スリー・ワン)』ということになります。セイルは3枚、ボードは1本。でも当たり前のことだけれど、フォイルレースではフォイル(水中翼)の性能が重要になるので、それにも別の使用規定が設けられています。フォイルはフロント(前翼)とリア(後翼)で、それぞれ大小2枚まで。フューサレージ(フォイルの胴体部)は2つ(フォイルの)マストは1本のみ。初日のレジストレーションはだいぶ時間がかかったけれど、それはこのフォイルの登録に手間を要したからみたいです。
ちなみに地元津久井浜ローカルの国枝信哉選手(JPN-22)がフォイルレースに登録したボードとセイルは───『パトリック・フォイル』185ℓ(最大幅91cm)+『ロフトセイル・スカイブレード』7.0 / 8.0 / 9.0㎡。「でも、外人選手はだいたい8.0 / 9.0 / 10.0㎡を登録している」ということです。やっぱりパワフルなんですね。

それからもうひとつ驚いたのは、トップレーサーの何人かが2019年モデルではなく、見たこともない2020年モデルのボードを登録していたこと。まあガツガツしてます。でも彼らにしてみれば、当たり前のこと。まだ生まれたばかりのフォイルの道具は進化が早い。最新モデルを調達する力があるのなら、それを使わない手はないということです。
PWAのレースは、すべてが平等の精神の元に成り立っているわけではない。それは選手の総合力を競う戦いなのだ。前にそう書いたことがあるけれど、まあ本当に厳しい世界です。なかなか出る杭にはなれないし、出ればガンガン打たれるし。でもだからこそ面白い。そこでは巨大な力で制圧しようとする者と下克上のエクスタシーを夢見る者とが常にぶつかる。すべてが戦国レースで、消化試合のようなレースはひとつとして存在しません。
だからこの大会の期間中、一度は見に来てくださいね。今日(二日目)の予報はライトウインド。でもフォイルレースが成立する可能性は十分にあります。運営サイドはその気満々みたいです。会場で世界のトップライダーたちも待ってます。

────────────── Windsurfing Magazine ────────────── ウインドサーフィン マガジン ──────────────