『IWT御前崎』世界のトップウェイバー、続々参戦表明

IWT Omaezaki Japan Cup 2019
2019 EVENT_01 / Omaezaki, Shizuoka, Japan_2019.03.05-03.10
「日本」対「世界」の本気バトルを目撃せよ
All Photo by IWT(International Windsurfing Tour)

↑ Takara Ishii(J-20)|↓ Takuma Sugi(J-7)/ ⒸIWT_Si Crowther
↑ Takara Ishii(J-20)|↓ Takuma Sugi(J-7)/ ⒸIWT_Si Crowther

日本のウェイブ界は、これまで経験したことのない時代に突入している。
それは自然に訪れたのではない。彼らがむんずと引き寄せたのだ。

▶︎石井孝良(J-20 / 17歳)=2018 IWT ユースクラス年間王者/モロッコ、ペルー、チリ大会で同クラス優勝。アロハクラシック同クラス2位。2018 PWA U-20 クラス年間ランキング2位。
▶︎杉匠真(J-7 / 16歳)=2018 PWA U-17クラス年間王者/テネリフェ大会同クラス優勝。さらにアロハクラシックでは同クラスで優勝を果たすとともに、プロクラスでも9位タイとトップ10入り。
▶︎生駒篤樹(16歳)/ 石井颯太(13歳)/ 松井晴(14歳)=2018 IWT バハ大会 ユースクラスで1位 / 3位 / 4位。
▶︎橋本洋(J-299 / 22歳)=2018 IWT アロハクラシック プロクラス13位タイ。実は成績以上に動きはキレキレで、多くのカメラマンに被写体として貢献した。
▶︎板庇雄馬(J-15 / 27歳)=2017 IWT アロハクラシック プロクラス9位タイ。爆発的なライディングは外人並で、今季も『GA Sails & Tabou チーム』の一員として、インターナショナルライダーと共にコマーシャル撮影に参加、世界にそのスタイルが紹介されている。
▶︎佐藤素子(J-0)=2004年マウイ島・ホキーパで行われた『ハワイ・プロ』に優勝、PWAワールドツアーを制した初めての日本人となった彼女は、2018年のアロハクラシック ウィメンズ(プロクラス)でも準優勝。長きにわたり世界トップの力を保持している。

|日本ウェイブ界に新時代到来|

↑ Hiroshi Hashimoto(J-299)|↓ Yuma Itabisashi(J-15)/ ⒸIWT_Si Crowther
↑ Hiroshi Hashimoto(J-299)|↓ Yuma Itabisashi(J-15)/ ⒸIWT_Si Crowther

多くの日本選手が世界でトップを争い、時に優勝を果たす。「そんな時代が来るなんて・・・」と半ば諦めかけていた時代を彼らが牽引してきたのだ。あまりにも突然の「New Era(新時代)」の到来に世界も驚いている。ウインドカメラマンたちは彼らにフォーカスすることが多くなり、PWAもIWTも日本選手の特集をウェブサイトで公開している。

なかでもユース世代の選手の台頭は目覚ましく、その勢いは本場ヨーロッパやマウイの若手を脅かし、時に圧倒する。もしかしたら日本のユース世代の層の厚さ、総合力の高さは今や世界一なのではないか。そう思えるほどに彼らは試合で力を発揮するのだ。彼らの戦いを見ていると、僕の頭の中には今の日本の卓球界の若い選手の顔が浮かんでくる。張本智和や伊藤美誠、平野美宇ら、十代の選手たちが王国中国の強敵をばったばったと打ち倒し、笑顔を弾けさせるその姿が。日本のウェイブ界は、おそらくその前の段階にある。あと一歩、そしてもう一歩と前進することができれば、世界の位相を変え、その核になれるかもしれない。

もちろんここからのあと数歩は、これまでとは比べものにならないくらいに重く険しい歩みになることだろう。でも「無理か?」と訊かれれば「無理じゃないような気がする」と僕はこたえる。彼らはすでに世界の舞台に何度も上がり、そこで誇るべき勝利や悔しい敗北を経験している。世界で勝つこと負けることが自分に何をもたらすか、それをリアルにイメージすることができる。だから負けないために、文字通りに「全力を尽くす」。それが彼らの強みのひとつだ。

彼らは多くの場合、試合で積極的になり過ぎたり、守りに入り過ぎたりはしないようにみえる。その時、自分が最強であるために───意識的にか無意識にかはわからぬが───攻守のバランスポイントをどこ置くべきかを把握して、ヒートを戦っているようにみえるのだ。つまり彼らは───かつて日本選手の多くがそうしたように───一か八かで、半ば捨て鉢に、勝利の確率の低い戦法を採るようなことはしない。相手が世界であろうと、勝利を掴むために堂々と最善の策を採る。

|御前崎ロングビーチが最強の舞台に|

そういう勝者のメンタリティとスキルを持った彼らが、来年3月、ホームである御前崎ロングビーチで世界のトップウェイバーを迎え撃つ。それが『IWT 御前崎ジャパン・カップ』だ。世界のトップウェイバーが続々と参戦の意向を表明している(12月27日現在、12選手。以下のプロフィール参照)。

特徴的なのはプロはもちろん、そのほかのクラスにも世界のトップ選手がエントリーしているということだ。自分に近いクラスの選手がどんな動きをメイクするのか、そのクラスの世界がどうなっているのか。それを確認するだけでも、きっと楽しく価値のある時間を過ごせる。

そして何より、今大会の御前崎ロングビーチは、日本と世界が本気で戦う、史上最強のウェイブバトルフィールドになるかもしれないのだ。少し大袈裟な言い方にはなるけれど、メジャーリーグに野茂やイチローや大谷を見るように(結構それに近い感覚で)世界に驚き、日本選手を応援できる。見逃す手はない。会場で会いましょう。待ってます。

【外国人参戦予定選手】

Boujmaa Guilloul(M-3)| Morgan Noireaux(HI-101)| Federico Morisio(I-676) Russ Faurot(US-785)| Bernd Roediger(US-1113)| Jake Schettewi(US-25)
Boujmaa Guilloul(M-3)| Morgan Noireaux(HI-101)| Federico Morisio(I-676)
Russ Faurot(US-785)| Bernd Roediger(US-1113)| Jake Schettewi(US-25)

ボジュマ・ギロール_Boujmaa Guilloul(M-3)2018 IWT_プロクラス年間ランキング2位/2004年PWAワールドツアーにデビュー。2009年『カーボベルデ大会』8位入賞。ダイナミックな動きを信条とし、故に何度も大怪我を負うも、今も激しく高く飛び続けるエアリアル・モンスター。ホームゲレンデはモロッコ・エッサウィラ。171cm、34歳。

モーガン・ノイロー_Morgan Noireaux(HI-101)2018 IWT_プロクラス年間ランキング3位/2014-15年に初めて『アロハクラック』を連覇した男になり、17年にも同大会を制したホキーパ・マスター。パワフルで深いダウン・ザ・ラインに──ゴイター、360、タカなど──バリエーション豊かなトリックを交えるスタイルで「今のウェイブ」を的確に表現するクリエイター。マウイ島・ハイク在住。1994年10月23日生まれ、24歳。185cm、74kg。

フェデリコ・モリシオ_Federico Morisio(I-676)2018 IWT_プロクラス年間ランキング4位/2015年20歳でPWAワールドツアーにデビュー。2017年『IWT ペルー(パスカルマヨ)大会』に優勝、同年IWTのMIR(Most Improved Rider)に選出される。1995年7月13日生まれ、イケメン顔もまだ荒削りなところも魅力の23歳。180cm、72kg。

ラス・フォラウト_Russ Faurot(US-785)2018 IWT_プロクラス年間ランキング5位/’18年はモロッコ、オレゴン、バハ、ペルー、チリ、マウイと、IWTウェイブツアーの全戦に参戦、5位のポジションを獲得。マウイ島パイア在住。ホームポイントであるホキーパでのビッグウェイブライドも得意とする。『S2マウイ』でウェブデザインも担当する35歳。

バーンド・ロディガー_Bernd Roediger(US-1113)7歳でウインドを始め、やがてユース世代のトップウェイバーに。2013年PWAツアーデビュー戦の『アロ・クラシック』で準優勝。スムーズかつ深いラインと爆発的なエアリアルは、聖地ホキーパでも異彩を放つ。未来のピーク・パフォーマー候補筆頭格。マウイ島・ハイク在住。22歳。

ジェイク・シェテウィ_Jake Schettewi(US-25)2018 IWT『アロハクラシック』ユースクラス優勝/2015年14歳でPWAワールドツアーにデビュー。同年AWT(現IWT)ユース&アマチュア年間王者となり注目を集める。’18年PWA『ポッゾ大会』U-20クラス4位とポートのゲレンデでの対応力に課題はあるものの、スタボーでは世代最高レベルの強さを発揮する。日本のユースの強敵。2001年1月25日生まれ、17歳。

Ferdinando Loffreda(HI-1001)| Simeon Glasson| Jeffrey Henderson Zachary Schettewi| Sabine Zola(ITA-314)| Amanda Beenen(H-87)
Ferdinando Loffreda(HI-1001)| Simeon Glasson| Jeffrey Henderson
Zachary Schettewi| Sabine Zola(ITA-314)| Amanda Beenen(H-87)

フェルディナンド・ロフレダ_Ferdinando Loffreda(HI-1001)2018 IWT_プロクラス年間ランキング8位・同マスターズクラス2位/2013年AWT(現IWT)マスターズクラス年間王者。2015年46歳でPWAツアー(アロハクラシック)にもデビューを果たしたハワイナンバーのイタリア人。クラシカルなラインからのエアーを得意とする。49歳。

シメオン・グラッソン_Simeon Glasson 2018 IWT_アマチュアクラス年間ランキング1位・同マスターズクラス1位/’18年はIWTウェイブツアーの全戦に参戦。モロッコ、オレゴン、バハ、チリでマスターズクラスに優勝し、同クラスと共にアマチュアクラスの年間王座も獲得。ホームタウンはオーストラリア・シドニー。1970年4月生まれ、48歳。

ジェフリー・ヘンダーソン_Jeffrey Henderson 2018 IWT_グランドマスターズクラス年間ランキング5位/’18年は『アロハクラシック』のみに参戦、クラストップの成績を残し、年間5位の座を獲得。ホームポイントのホキーパにおけるスムーズなライディングに定評のある56歳。1985年から続く『ホットセイルズマウイ』の創始者であり現CEO。

ザッカリー・シェテウィ_Zachary Schettewi 2017 IWT『アロハクラシック』ユースクラス3位、’18年同5位/ジェイク・シェティウィの兄。細身の体型を活かした軽快なライディングが特徴。身体の捻りを効かせたリッピングやカットバックを得意とする。ラインにパワーを表現できれば、さらなる進化が期待できる。1999年2月12日生まれ、19歳。

サビーネ・ゾラ_Sabine Zola(ITA-314)2018 IWT_ウィメンズクラス年間ランキング3位/2017年『IWT ペルー大会』で優勝、注目を浴びる。1996年11月3日、セネガル人の母とイタリア人の父の間に生まれた22歳。まだまだ高く、深く、バーチカルに進化するだろうバネを感じさせる逸材。14歳からファッションモデルとしての活動も続けている。

アマンダ・ビーネン_Amanda Beenen(H-87)2018 IWT『バハ大会』ウィメンズクラス5位/2004年17歳でウインドサーフィンを始め、2011年24歳でPWAワールドツアーにデビュー。2015年PWAウィメンズクラス年間ランキング4位。夏はテネリフェ、冬はケープタウンかマウイで風と波に乗っている。1987年1月1日生まれ、31歳。

Boujmaa Guilloul(M-3)|Morgan Noireaux(HI-101)/ ⒸIWT_Si Crowther
Boujmaa Guilloul(M-3)|Morgan Noireaux(HI-101)/ ⒸIWT_Si Crowther

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〈IWT OMAEZAKI 2019 開催決定!〉