Tiree Wave Classic 2017 @ Tiree Island, Scotland, United Kingdom
イギリスの北、スコットランドでウェイブ?
僕は聞いたことがなかった。相当寒いに違いない。写真を見ると海は御前崎に近いように思えた。
風は(海に向かって右から吹く)スタボーサイドで、海面は荒れている。波はハワイのようなうねりではなく、どちらかといえば成長過程にある風波で、フェイスに多くの凹凸が残っている。空気はキーンと圧縮されて澄んでおり、遠くの水平線が海と空との境をくっきりと分けている。
イギリス特派員のフィンさんがここに紹介してくれる大会は、1986年から続くクラシカルなウェイブコンテストだ。
イギリスのジュニアからプロライダーまでが年に一度ここに集い、海外からも多くのライダーが参戦する。
過去の優勝者を調べてみるとダンカン・クームス(86、88年 / 現PWAヘッドジャッジ)やニック・ベイカー(90、97年 / 元PWAウェイブチャンプ)ジョン・スカイ(03、05、08年)カウリ・シアディ(07年 / 3×PWA ウェイブチャンプ)ベン・プロフィット(10〜13年)ロス・ウィリアムス(15年)など、錚々たるメンバーの名前が抽出できる。
おそらくヨーロッパでは有名な大会で、レベルが高いことは間違いない。
海と風があるところにはウインドサーファーがいる。ウインドサーフィンの本場である欧州の懐は深く、まだまだ知らないことばかりだ。と、改めて思う。このサイトでその端々を伝えていければとも。
そんなわけでその第一弾、フィンさんのレポートをお届けします。
風速30m/sオーバーのハリケーンバトル
特派員報告=イギリス支部
フィン真由美(Mayumi Finn)
10月15~19日、ハリケーン「オフェリア」の暴風が吹き荒れる中、各国からプロ、アマチュア、ユースのウインドサーファーを迎えて、第31回『タイリー・ウェイブ・クラシック(Tiree Wave Classic)』が開催された。
風は112km/h(60ノット=30m/s)を超えていた。経験豊富なプロさえも、その強風に興奮を隠せない様子だった。
優勝したのは、2016年PWAオーバーオールウェイブランキング5位のアダム・ルイス(29歳、英国)。
準優勝は、同12位で今季のベストユースとなったマーク・ペレ(19歳、スペイン)。
アダムは「優勝できて本当に嬉しい。歴史あるタイリーで勝つのは夢だったし、格別だ」と語り、
大会の伝統を継承するタイリーの剣を授与された。
5日間の大会中、会場はタイリー島の南西部にある3つのビーチ(Maze、Balephuil、Crossapol)からセレクトされた。
選手らはその日のコンディションによって、一番の海に移動して鎬を削った。
コンテスト以外の時間には、プロとアマチュアの壁を越えた温かい雰囲気があり、ビーチやレストラン、バーなどでプロからの熱心な手ほどきを受ける選手も多く、その環の中では常にフレンドリーなウインド談義が交わされていた。
タイリー島はスコットランドの西海岸、インナー・ヘブリディーズ諸島にある小さな島で、ウインドサーファーやサーファーの聖地として知られている。もしその地を訪れる機会があったなら、是非その風に乗ってみてください。
大会公式サイト http://tireewaveclassic.co.uk/
大会フェイスブック https://www.facebook.com/tireewaveclassic/
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