《 ウインドで幸せになろう 》

正直は善か? 正しくて嘘のない正直は善だろうけど、正しいと思い込んでいるだけの正直は善ではない。世の中には何が正しいのかわからないことも多いから、正直者であり続けるのは難しい。

「人間は善であり、悪でもある。極端はほとんどなく、すべて中途半端だ」と、イギリスの詩人アレキサンダー・ホープは『人間論』のなかで述べている。
多くのひとは、そのことを無意識のうちに認識している。
だから正直であろうとすれば悩みが生じ、面倒なことが多くなる。

面倒なこと─── それを無視しようとすると「正直であること」と「ただ率直であること」の違いがわからなくなり、やがて「率直は善」と思い込むようになりやすい。その結果、自分の中の善と悪とを戦わせ、何とか折り合いをつけてから事に臨もうとしなくなるので、悪の面が発露する頻度が高くなる。

All Photo by pwaworldtour.com_John Carter Photography
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正直と履き違えた率直はむき出しであり(それが言葉であったとしても)暴力につながることが多いよな、と最近思う。
で、思い出した。2005年のカウリ・シアディの言葉だ。

「ウインドでも何でも、事に当たる時には自分のすべてを出し切ること。そして常に身近なコミュニティや周囲の環境に配慮すること。僕がいつも自分に言い聞かせているのはこの二つ。自分の行動はすべて自分に帰ってくる。周りのひとたちをヘルプすれば、結果的に自分も助けられることになる。自分がいい人間になろうとすれば、周囲にいい人間が集まるようになる。そういう関係が広がっていけば、みんながいいひとになるよね。ウインドと関係ない話じゃないんだよ。僕はウインドを始めてからそう思うようになった。ウインドにはそういう力もあるんだ。いいスポーツに出会ったね、お互いに」

2_AC16_wv_BRA253_0193風も波も思い通りにはならない。思い通りにやろうとすればシメられる。それがウインドであり、だからウインド乗りは調和を求める。気を抜けばすぐに崩れてしまうその世界に、少しでも長く留まれるように試行錯誤を繰り返す。何度でも、忍耐強く。
理想を現実にするには努力と忍耐と信じる力が必要になる。どれかが少しでも欠けてしまえば、すべてがパーになってしまう。

「ウインドで幸せになろう」とカウリは言った。
「ウインド乗りなら、その方法はわかるよね」ということだろう。
つくづく思う。いろいろと難しい世の中ではあるけれど、ウインドと出会えてよかったですね、お互いに。

▲Kauli Seadi(BRA-253) 12歳でウインドを始め、16歳でブラジル・ジュニア・チャンプに。2000年『アロハクラシック』でPWAツアーにデビュー。2 × PWA フリースタイル・ヴァイス・チャンピオン(2003、2004)。3 × PWA ウェイブ・チャンピオン(2005、2007、2008)。2015年『アロハクラシック』2位。フリスタの動きをウェイブに取り入れたフロンティアの一人で、今も現役バリバリのトップライダー。ブラジル、サンミゲル・ド・ゴストーゾ『CLUBE KAULI SEADI』オーナー。1982年生まれ、34歳。
▲Kauli Seadi(BRA-253) 12歳でウインドを始め、16歳でブラジル・ジュニア・チャンプに。2000年『アロハクラシック』でPWAツアーにデビュー。2 × PWA フリースタイル・ヴァイス・チャンピオン(2003、2004)。3 × PWA ウェイブ・チャンピオン(2005、2007、2008)。2015年『アロハクラシック』2位。フリスタの動きをウェイブに取り入れたフロンティアの一人で、今も現役バリバリのトップライダー。ブラジル、サンミゲル・ド・ゴストーゾ『CLUBE KAULI SEADI』オーナー。1982年生まれ、34歳。