《Day 6_2 / ヴィクター “チャンプ” フェルナンデス》
ダブルイリミネーション(敗者復活戦)の三回戦で年間タイトルに王手をかけているヴィクター・フェルナンデスが負けた。
彼はなぜか精彩を欠いていた。その前のヒートでは、いきなりセイルを倒してターン、ワンハンドリップ、ルックバックエアーなど、型を踏みながらもヴァリエーション豊かなライディングを見せていたのだが、このヒートではベストスコアが5.50と、あまり見るべきところがなった。一つひとつの動きや技には流石のキレを見せるのだが、いい波を選べずロングライドができなかった。
これで今期のヴィクターの成績から『アロハ』のリザルトはディスコード(カット)されることになる。だから大勢に影響はない。ランキング2位で、ヴィクターの唯一のライバルであるアレックス・ムッソリーニは、この大会に優勝すればヴィクターを逆転できたが、四回戦(ルーザース・ベスト16の戦い)でリカルドカンペロとロス・ウィリアムスに夢を砕かれてしまった。
ロスは今期ランキング3位になったスラローマーだが、かつてはウェイブのトップ10ライダーだった。だから今のウェイブのランキングは関係ないが、ウェイブの腕は確かである。こういう人間が一番怖い。ロスは完全に自由だった。クリティカルゾーンへのレイトヒット、エアリアル、パワフルなカーヴィングターンを連発した。そして0.25ポイント差でアレックスを抑えて次のラウンドへ進出した。
おめでとう。今期チャンピオンになったことで、彼の中に新しい明確な目標が生まれたかもしれない。それが何かはわからないけれど、僕は来季のヴィクターにも期待している。