ウインドサーフィン Q & A
Serial No. 004_Tech 002_Harness 01
Q:ハーネスの掛け外しとタック・ジャイブの練習をしているのですが ───
ハーネスラインの使い方やハーネスの掛け方がわかりません。
それからタックとジャイブが不安定で、すぐにバランスを崩して沈没してしまいます。どうしたらいいですか?
ボードは借り物で、セイルはニールプライドの『ザ・フライ(ウェイブセイル)』の4.5㎡を使っています。
すみません、これ以上のことはわかりません。
▶︎質問=鈴木翔太さん(20歳 / ウインド歴=1年未満 / ホームゲレンデ=静岡県浜名湖村櫛海岸)
A:ハーネスワークをマスターするには、ハーネスラインのセッティングが大切です。位置、長さなどによって使いやすさが大きく変わってきます。そして何よりも知っておいて欲しいのは、ハーネスラインを「フックオンする」動作よりも「フックオフする」動作の方が大切だということ。ラインをフックに引っ掛けるのは少々強引にやってもいいのですが、風が抜けたりブローが入ったりというタイミングで素早くラインを外せないと、それがそのまま「沈」につながってしまいます。だからまずはしっかりと陸上で練習しておくことです。
▶︎陸(浜)でセイルを立てて掛け外しの練習をします。そして加重のかけ方や重みをかける方向などの感覚を掴みます。
具体的には、両腕でブームを引きつけたり離したりの動作を行い、ハーネスラインを揺らします。動かし方は小さく早く。ラインが手前に振れたタイミングでフックでラインを迎えにゆき、掛けられたらハーネスに寄りかかるようにします。ハーネスラインを引くのではなく、ハーネスのバックサポート部に寄りかかるようにすることが大切です。
この際にラインの位置と長さをきちんとチェックしておきます。
ハーネスラインの位置が両手の間、ほぼ中央にあることが「ラインの位置」と「セイルの風圧中心」とを一致させることにつながります。この両者の位置にズレがあると、セイルはとても扱いづらくなるので、じっくりと最適な位置を探してください。またラインの長さは、マスト手を伸ばし、セイル手を軽く曲げられるくらいの長さに調節します。ビギナーの場合には、その調節が容易なアジャスタブルラインを使うのがお薦めですが、それができないフィックスラインを使うなら(使っているなら)体格にもよりますが、28インチ前後のそれが比較的使いやすいと覚えておくといいでしょう。
▶︎次は海上での練習について。
メインゲレンデが浜名湖の村櫛ということなので、海面はフラットからチョッピーだと思われます。練習には最適です。
まずはクローズホールド(上り=風上方向への走り)でハーネスに慣れること。上りで使えるようになってから、次第にアビーム、クォーターへとセイリングアングルを広げていきましょう。
使用セイルが4.5㎡と小さいこと、それからセイルが『ザ・フライ』で、3本バテンであることから、はじめのうちはハーネスに寄りかかりにくいかもしれません。風が弱めのときにはラインをやや下向きに引き、強ければ横に引くイメージを持つといいでしょう。
フックオフの動作は両腕を均等に素早く引き付けて行います。引き付けながら少しお腹を上に向けると外しやすくなります。このときフォームを崩さないように。バランスまで崩してしまっては意味がなくなってしまいますからね。
ハーネスに慣れないうちは前に倒れたり、飛ばされたりもするものです。
その際に痛い思いをしないようにするにはマスト手をしっかりとホールドすることが大切です。それが身を守ることにつながります。
ハーネスワークはセイリング中の体力維持に役立つし、上達に欠かせないものです。倒れてばかりいると厭になってしまうこともありますが、くじけずにチャレンジを続けてください。
▶︎最後にタックとジャイブについてですが、しっかりと風を取ることを意識していますか?
ボードを回すことだけを考えていると、なかなかうまくいかないものです。ウインドサーフィンはセイルに風を受けて走りつつ、ボードをターンをさせていく乗り物です。風はターンをコントロールする上でも重要な要素のひとつです。セイルにしっかり頼り、セイルのパワーを活かしてコントロールする意識を強く持ってみてください。風が強い場合は、重心を低めに保つことも大切です。
いずれにしても、ハーネスワークのレベルが上がれば、より効率的に風を使えるようになり、そのときの感覚も掴みやすくなります。周囲の人たちの乗り方を参考にしながら頑張ってみてください。
▶︎回答=霜山厚(逗子ウインドサーフスクール)
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