今年もこの季節が来てしまった…
特派員報告=神奈川県横浜海の公園支部
西村栄治(スピードウォール)
猛烈な嵐となった3月1日以外は、わりとマイルドなコンディションが多かった今年の春一番マンスリー。
しかし、ほぼ毎日プレーニングできた週があるなど、吹いた回数では例年以上だったように思います。
いつも以上の暖かさにも後押しされ、たくさんのウインドサーファーが海に戻ってきましたが、
その数を遥かに凌駕する「あの人たち」も海の公園に押し寄せてきているのです。
「あの人たち」というのは、潮干狩りに訪れる人たちのこと。
東京湾で潮干狩りといえば、人工的に撒いたアサリを有料で掘る千葉の木更津が有名ですが、その対岸にあたる横浜の海の公園では自然繁殖したアサリを無料で採れるということで、もはや本場を凌ぐほどに人気があります。
「節約術」「迷子」「爆採り」などの切り口で夕方のテレビニュースやバラエティー番組にたびたび取り上げられてきたことで、近年ますます来園者が増えている印象です。ニュースによるとゴールデンウィーク期間中だけで20万人が訪れるとか。それだけの人が一斉に掘り始めると1kmある海岸線もすべて人で埋め尽くされてしまいます。
「足の踏み場もないほど」は例えではなく本当で、ビーチから入水するまでのルートを確保するのは、あの大きなセイルやボードを抱えながらなんてとんでもなく、たとえ手ぶらであっても難儀するほどなのです。
朝早くから海に出ていた人が、気づくと海から上がれなくなってたなんて失敗もよくある話。
人ごみをかき分け苦労の末に海上に出たところで、普段の半分ほどに減ってしまった海の広さでは爽快感も半分(泣)。
こうなると私たちウインドサーファーには、まさにお手上げ状態ですが、
冷静になれば、このような状況はいつまでも続くわけではないことに気がつくでしょう。
最大干潮時を過ぎると、今度はみるみるうちに潮が満ちてきます。1時間ほどで潮干狩りをするにはつらくなり、
2時間後にはほぼ100%の海が戻って来て、砂浜を埋め尽くしていた人の姿は嘘のように消えてしまいます。
かくして広さと平穏を取り戻したビーチは、まさにウインドサーフィン天国。
何にも邪魔されることなく、誰にも遠慮することなく、のびのびと楽しむことができます。
それにしても数万の人間が一心不乱に砂浜を掘り返していたさっきまでの狂乱と、今の平和に揺れる
ボードの上の静かさのギャップといったら、毎度のことながら不思議な感覚をおぼえずにはいられません。
『スピードウォール』では潮干狩りの状況によって、スクールのスタートが12時に変更になります。
(※詳しくはホームページをご覧ください)
午前中の潮干狩りと午後のスクール「1日で2度楽しい」春ならではの貴重なチャンスとなっています(笑)
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