Hamanako Freestyle Kid
───2017年3月、JWA『フリースタイル選手権(Bクラス)』で一人の少年がコンペシーンにデビューした。
守屋拓海くん、当時10歳。かつてアマチュア・コースレーサーとして活躍し、今は浜名湖のウインドサーフィン・ショップ『WINDS 171』のオーナーである父、慎二氏に手ほどきを受けた拓海くんは、あっという間のレベルアップを続けている。11歳、小学5年生になった今ではスポック、グラビー、フラカ、ファネル、イースライダーなど、数々のトリックをメイクするリアル・フリースタイラーになっている(※ 動画参照)。
いかにしてそのような成長を遂げたのか。拓海くんと慎二氏に訊く。
───ウインドサーフィンを始めたのはいつですか。
守屋拓海(以下:拓海)小学1年生のときです。最初から楽しいと思いました。
本気で楽しくなったのは小学2年生になった頃、初めてプレーニングができたときからです。
守屋慎二(以下:父)最初は140ℓの大きなボード(『スターボード / GO』)から始めて、乗れるようになったところで早めにボードサイズを落としていきました。140ℓ、70ℓ、45ℓというように。
最初のセイルは2.5㎡(『プロライン / キッズセット』)です。風を捕らえやすいようにリグ全体を柔らかく仕上げて、非力でも扱いやすいようにセッティングして使わせていました。
───フリースタイルを始めるきっかけは。
拓海 ジャンプしてトリックする人を見て、カッコいいと思ったから。
最初はドリルジャイブの練習から始めました。それからバルカンをやるようになって・・・でもそれがやっぱり難しくて、お父さんにアドバイスをもらってから急に上手くできるようになりました。
父 (ホームゲレンデである浜名湖)村櫛は(遠浅で基本的に海面がフラットだから)フリースタイルにも最高の環境で、しかも拓海が使っている道具の性能も高いので、彼の成長のスピードは(僕からみれば)普通のレベルだと思います。
───これまでに怪我をしたことはありますか。
拓海 怪我はないけど、しょっちゅうウニのトゲが足に刺さってます。
───難しい技にトライするとき、恐怖心はありませんか(どう克服していますか)。
拓海 正直怖いです。だから最初は艇速を落としてトライするようにしています。
───ゼロから技をマスターするまでのプロセスは。
拓海 ユーチューブ(の関連動画)をよく見ます。
父 イメージを高めて練習、の繰り返しですね。小学生にしては、体力はある方だと思います。
───おじさんたちに上手くなるコツを教えてください。
拓海 最初に何かをするときは艇速落として安全にトライすることです。
───今の身長と体重、それから使用道具を教えてください。
拓海 141cm、31kg。ボードは『バーレーヘッズ / フリースタイル・カスタム 55ℓ』セイルは『ニールプライド / ドラゴンフライ 3.5㎡、3.0㎡、2.5㎡』です。
父 ジャンプがベースになるので、ボードは軽くて高性能なカスタムに。セイルは子供にも扱いやすいモデルに純正のマストを使ってソフトに仕上がるようにセッティングしています。
───お父さん、お子さんと一緒にウインドができて最高ですね。
父 そうですね。全国のウインドお父さんにも、できればお子さんと一緒にウインドサーフィンを楽しんでほしいと思います。ウインドで海と風、自然に接して、親子でその日の感動を共有できたら、それは本当に素晴らしいことだから。
───今の課題と将来の目標は?
拓海 より多くの技をおぼえること。そして日本一になることです。
───11歳の拓海くんが最初の目標を達成するのはいつか? そのとき次の目標への挑戦が始まる。
いや、今はまだ(もうしばらくは)ただ自由にウインドサーフィンを楽しんでほしいという気がする。
そしてみなさんには、日本のフリスタ界にもこんなジュニアライダーがいることを心に留めておいていただければと思います。また近いうちに、きっと彼の続報をお伝えすることになると思うので。
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