SF Interview_11_穴山未生 / JPN-311
「7年目の爆発へ」
穴山未生_2016年PWAスラローム・シリーズ_リザルト第一戦・韓国=6位(6)
第二戦・デンマーク=16位(17T / 10)
▶︎年間ランキング=9位
※カッコ内の数字は各レースの順位。
───穴山未生は不思議な選手だ。すごく速く見えるときもあれば、あれっと思わせられるときもある。たまに「まさかっ」というようなアンフォーストエラーを犯したりもする。
リスクを負って戦っているからだ、と思う。ただ無難に走ったのでは世界では勝てない。だから攻める。結果、ミスも増える。悪いことではない。テニスの試合などを見ているとよくわかるのだが、それは多くの挑戦者がたどるプロセスの一部だ。精神的に追い込まれることも多いかもしれない。でも結果につながる攻めを見いだすには、試行錯誤を重ねつつ「前へ」と攻め続けるしか道はない。
───あなたのスラローマーとしてのストロングポイントはどこにあると思いますか。
それとは逆に自分で認識している弱点はありますか。
穴山 強みは吹いたときのスピード。
弱点はレースが雑なこと。精神的に弱気になりやすいところ。
───あなたにとって一番のライバルは誰ですか。
穴山 一番っていうのはありません。みんな速いしうまいから、トップ10は全員ライバルです。というか、あまりつかめない、というのが正直なところです。一年でみんなすごく変わるから。私もここ半年くらいですごく変わったと思うし、今まで競っていた人よりも少しだけ前に進んでいるイメージもある。でも、もしかしたらみんなもそうなのかもしれない。わかりません。ただデルフィーネ、サラキタ、レナ、この三人は確実にトップ争いをすることになるだろうから、彼女達とライバルになれるように、横須賀大会までにはなんとかしたいと思います。
───去年のランキング(9位)は不本意なものだったろうと推測するのですが、足りなかったもの、学んだことなど、去年のレースをどう自己分析しておられますか。
穴山 思ったよりもライトウインドでレースをするようになったんだなと思いました。以前は結構しっかり吹いてないとPWAはレースをしないイメージでしたけど、去年はギリギリの風でもレースが行われました。吹いた時のイメージはとても良かったんですけど、自分の思ったようなコンディションではレースがなかった。それですごく弱気になってしまった。もっと弱い風を想定して準備を整えておくべきでした。
───今季トップ3の壁を破るイメージはありますか。
何が必要かなどを含め、できるだけ具体的にレースプランを聞かせてください。
穴山 もちろんイメージはしています。でも今の段階では少しスピードが足りないかなと感じています。今のままでは、混戦になったときに前に出れない可能性があります。
トップスピード云々というよりは、風の強弱でのスピードロスが大きいので、そこを改善して安定したスピードを維持できるようになれば、次の何かが見えてくるかなと思います。
───穴山さんが、アスリートとしての総合力を高めるために大事にしていること、あるいは日々を過ごすなかでの優先順位、ルーティンなどがありましたら教えてください。
穴山 当たり前のことですが、健康的な食事と睡眠。同じ時間にご飯を食べて、同じ時間に寝て起きる。風が吹いたときに100%集中できるように、規則正しい生活を続けるように心掛けています。
───5月の『横須賀W杯』に向けて、日本のファンに何かコメントを頂けますか。
穴山 ワールドカップの雰囲気を間近で感じていただけると思います。
ぜひ会場に来てください。表彰台目指して頑張ります!
───穴山未生の7年目のPWAツアーが始まった。求め続けてきた者には、偶然のような必然が起こりうる。
何かの拍子に絡まっていた配線がつながるように。突然の化学変化が新たな有効物資を生み出すみたいに。
彼女の爆発を待ちたい。できれば横須賀でお願いします。