《Day 13 /「キラキラ男」リカルド・カンペロ》
→《Day 12》の続き
リカルドのきらめきについて。リカルドは斜めと縦のストレートラインをR(曲線、カーブ)でつなぐ。もちろん常にというわけではない。他の選手よりもその頻度が高いように見えるということだ。
例えばブレイクの速い波に乗った彼は、フェイスの上でスラローマーのように、自分の身の置き場がなくなるくらいにセイルを引き込む。そしてフルスピードで斜めにダウン・ザ・ラインしていく。そこからいきなりボトムでセイルを倒し、ボトムを抉り、バーチカルなラインを描いて分厚いリップを蹴り飛ばす。さらにゴイターやタカなどのトリックまで入れ込んでくる。コンテスト中であるにも関わらず、おいおいそれは無理だろうというようなビッグエアーを仕掛けて、派手に波の裏に落ちたりもする。その動きの変化のたびに、セイルとボードからの反射光の角度が変わり、彼はキラキラと輝いて見える。
リカルドのセイリングにはスピードとメリハリがあり、常にギリギリのアプローチを仕掛けることによるドキドキがある。だから失敗もあれば、大成功を収めることもある。問題はそのような優れたウェイブライダーなのに(そのようなスタイルだから)成績が安定せず、なかなか優勝できないことだ。
リカルドはそんなこと関係ない、と思っているのかもしれない(思っていないと思うけど)。少しでも安全策をとってしまえばオレが失われてしまうだろうと。そのようにも見えるところが彼の魅力ではあるのだが、僕の個人的な意見を言わせてもらえるのなら、大丈夫、あと25%くらいセイフティにいっても、リカルドの魅力(ワイルドさやサプライズ性など)は薄れるものではないように思う。25%の抑えが125%のパフォーマンスにつながり、やがてそこで得られた何か(勝ち癖とか)により150%の強さを得られる。彼の場合には、そういうことも十分にあり得るように思える。
そうなれば、リカルドはとんでもない選手になる気がする。いえ、一人のファンの戯言です。リカルドさん、来季のきらめきにも期待してます。