《Day 6_1 / ロビーとジェイソン、レジェンドは何故?》
ロビー・ナッシュとジェイソン・ポラコウ。US-1111 と KA-1111。二人のレジェンドはダブル(敗者復活戦)の二回戦で同じヒートになり、共に同三回戦へ進出、共にそのヒートで敗退した。
ロビーはクラシカル・ラインのお手本のようなラインを描き、ジェイソンはそれだけを抽出すれば「カービング・オブ・ザ・デイ」に値する、数本の深いターンを披露した。
憧れの二人を見ながら僕が思ったのは「既にコンペの一線から退いている彼らが、何故この大会に出たのか?」ということだ。共に何度も優勝を重ねており、共に「レジェンド」と呼ばれている。そんな彼らに大会に出るメリットはあるのか? あり得ない話だが、例えば僕がロビーら・・・負けてなんだかんだ言われるのは嫌だし、勝って「オールドスクール」とか言われるのも面白くない。これまでに達成してきたことに、キズをつけられるなんてまっぴらごめん。やーめた。ということになる。
しかし二人はそうは考えない。僕らが出れば大会は盛り上がる。僕らと戦いたいという若手もいるかもしれない。ならば出る。ウインドの未来のために。おそらくそんなふうに考えているのではないか、と推測する。
結果二人は、シングルとダブルとで3つのヒートを勝ち上がり、ともに6人の現役ライダーに勝利した。ロビーは53歳、ジェイソンは45歳である。現役を引退した数年後に肥満して、よれよれの球しか投げられなくなっているかつての速球投手みたいな元アスリートをたまに目にするけれど、ロビーとジェイソンはまるで違う。二人は文字通りに「生きるレジェンド」である。
僕は今、二人のウインド愛を感じており、二人をリスペクトする思いが強くなっているのを感じている。僕らの「憧れ」は、スケールが違うのだとも。