ANA ウインドサーフィン ワールドカップ横須賀・三浦大会 DAY_5(大会最終日)

大会最終日となる5日目は、前線通過に伴う南西風が入る予報が出ていた。8時半のスキッパーズミーティング時点では、風向は前日までの北寄りから南寄りに変わったものの、まだ4~6ノット程度で安定せず。しかし海面の気配からは、確実に風が上がってくる兆しがあった。この日は閉会式の時間が決まっているため、最終ヒートのスタートリミットは14時、新しいエリミネーション開始のリミットは正午と運営からアナウンスされた。

9時を過ぎると凪いでいた海面が黒く変わり始め、風の入りを期待させる気配が強まる。9時半には明確な吹き込みが確認され、9時45分より、前日に消化できなかったエリミネーション3・女子ファイナル、続いて男子のセミファイナル、ファイナルを行うことが決定した。レースエリアの風速は6~12ノットまで上昇。さらに強まることが予想され、選手たちはセイルサイズやフォイルのセットなど判断が難しくなっていた。男子では DEN-37 ヨハン・ソー、ITA-140 マッテオ・イアキーノが8.0 ㎡、FRA-14 ピエール・モルテフォンが7.7 ㎡ を選択。女子の多くは 6.0~7.0 ㎡台 を選んでいた。男子ファイナルスタート直前にヨハン・ソーはビーチに戻り、セイルを8.0 ㎡ から9.0 ㎡ に交換し急ぎスタートに向かった。風はむしろ上がりつつあったが、彼は大きめのサイズを選択。スタートまで数分で届く距離とはいえ、間に合わないリスクもある。それでも勝つために妥協しない判断力と姿勢には驚きを感じる。結果、Elimination3は男子はDEN-37ヨハン・ソー、女子はNOR-21マヤ・ギスラーが勝利した。日本勢では、女子ファイナルに進んだ JPN-4 新嶋莉奈 が果敢に攻めたスタートで惜しくもリコールとなった。

その後、エリミネーション4へ。10時時点で風速は15~18ノット、海面のうねりも大きくなり始めていた。来場者が見やすいよう、コースをビーチ寄りに再設定する作業も行われた。エリミネーション4でも上位勢の顔ぶれは大きく変わらずレースが進行。風速はついに20ノットを超え、うねりもさらに大きさを増してきた。男子選手のセイルサイズは 5.0~6.0 ㎡台、女子は 4.0~5.0 ㎡台 という状況になってきた。ハードなコンディションの中、うねりにバランスを崩し沈する選手も増え始めている。今年のPWA年間ランキングで現在のところ、1位イアキーノ、2位モーテフォンの僅差の争いが続いていたが、Elimination4で逆転の可能性を残すモーテフォンは、ファイナルでうねりにバランスを崩しまさかの沈。痛恨のミスで6位に終わる。一方、ヨハン・ソーはElimination4でも危なげなく1位でフィニッシュ。なんとエリミネーション1~4すべてを制し、**完全優勝という圧巻の成績で大会を締めくくった。女子では SLO-51 リナ・エルゼン がエリミネーション4を制した。この日の競技は、時間の都合により男子はElimination4まで、女子はElimination5まで実施され、最終レースElimination5では E-3 ブランカ・アラバウ が勝利した。時間の許す限り全力でレースを消化し、選手も運営も充実した最終日となった。海外勢の強さが際立った大会ではあったが、日本選手にとっても得るものは大きかったはずだ。この経験を糧に、今後さらなる飛躍を期待したい。

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(写真・情報提供 PWA)






