杉匠真と守屋拓海が世界の強豪と対峙
カナリー諸島では、グラン・カナリア大会に続いて「2025 FUERTEVENTURA GRAND SLAM」が開催され、SLALOM XとFREESTYLEの両種目で男女の戦いが繰り広げられた。
前半の7月18日~22日にかけて行われたSLALOM Xには、日本から杉匠真が出場。昨年の「掛川サーフスラローム」では王者・浅野則夫を破って優勝を果たし、国内での存在感を強めていた杉だが、今回は強風が吹き荒れるソタベントのコンディションと、世界トップ選手たちとの対決という厳しい舞台に挑むこととなった。本人も納得のいく結果ではなかったかもしれないが、ウェイブやフリースタイルのみならず、スラロームにも挑戦する姿勢が、競技者としての幅広い実力を感じさせた。

守屋拓海が快挙!!!
続く7月23日・24日に行われたFREESTYLEには、杉匠真に加え、守屋拓海、池照貫吾、杉僚真、小西陽人の5名が日本から参戦。中でも注目を集めたのが守屋拓海の快進撃だった。大会初日に行われたシングル・エリミネーションでは、18歳の守屋が世界の名だたる強豪を相手に次々と勝ち上がり、見事3位に入賞。日本の若手として初のワールドツアー表彰台に迫る活躍で、フリースタイル界に大きなインパクトを与えた。守屋はその後、ダブル・エリミネーションでも粘り強い戦いを見せ、最終成績は4位。これは2023年のフィジー大会で杉匠真が記録した4位と並び、日本人選手として歴代最高位タイとなる。また、杉匠真もSLALOM Xに続いてFREESTYLEにもダブルエントリー。2種目を通じて世界の舞台で戦うその姿は、日本ウインドサーフィン界の新たな可能性を示していた。今回の大会では、いずれの日本人選手も結果以上に「世界と本気で戦える」ことを証明した内容だった。特に守屋拓海の活躍は、今後の世代に大きな希望を与えるものとなった。

SLALOM X ダイジェスト(7月18日~22日)
今年もフェルテベントゥーラ特有のハードコンディションが選手たちを容赦なく襲ったSLALOM X。吹き上がる爆風と難しい海面状況の中、男子ではピエール・モルテフォン(FRA/FMX Racing)が安定した走りで頂点に立ち、スラローム王者としての存在感を再び証明した。2位にはイアキーノ(ITA)、3位にルドコフスキ(POL)が入り、実力者たちが順当に表彰台を確保。
男子SLALOM X 上位結果
1位 ピエール・モルテフォン(FRA | FMX Racing)
2位 マッテオ・イアキーノ(ITA | Starboard / Severne Sails / Z Fins)
3位 マチェク・ルトコフスキ(POL | JP / NeilPryde)
4位 ジョルディ・フォンク(NED | Duotone Windsurfing)
5位 タティ・フランス(NB | Point-7 / Z Fins)
6位 ブルーノ・マルティーニ(ITA | I-99 / S2Maui / Z Fins)
7位 アマド・フリースワイク(NB | Future Fly / Point-7 / Z Fins)
8位 ニコ・プリーン(GER | JP / NeilPryde)
9位 ジミー・ティーム(FRA | PATRIK / PATRIK Sails)
10位 インマル・ダルドルフ(NED | Tabou / GA Sails)
女子では、サラ・キタ・オフリンガ(ARU/Starboard / NeilPryde)が再び女王の座を守り抜き、Justine Lemeteyer(FRA)との接戦を制して優勝。3位にはFemke van der Veen(NED)が入った。
女子SLALOM X 上位結
1位 サラ・キタ・オフリンガ(ARU | Starboard / NeilPryde / Maui Ultra Fins)
2位 ジュスティーヌ・ルメテイエ(FRA | PATRIK / PATRIK Sails)
3位 フェムケ・ファン・デル・フェーン(NED | Starboard / Severne Sails)
4位 ジェナ・ギブソン(GBR | Duotone Windsurfing)
5位 ボビー・リン・デ・ヨング(NB | Starboard / NeilPryde)
FREESTYLE ダイジェスト(7月23日~24日)
男子フリースタイルは、イェンテル・カエルス(BEL)が絶対的な強さを見せつけ、2023年以来の優勝を果たした。ダブル・エリミネーションではジャコポ・テスタ(ITA)との頂上決戦に勝利。テスタは自己最高のFuerte2位を記録し、スティーブン・ヴァン・ブロッケホーベン(BEL)が3位で続いた。
男子フリースタイル上位結果
1位 イェンテル・カエルス(BEL | JP / NeilPryde)
2位 ジャコポ・テスタ(ITA | WeOne / GUNSAILS / AL360)
3位 スティーブン・ヴァン・ブロッケホーベン(BEL | WeOne | GUNSAILS)
4位 守屋拓海(JPN | Severne / Severne Sails)
5位 レナート・ノイバウアー(GRE | Starboard / Severne Sails / Maui Ultra Fins)
6位 ディーター・ファン・デル・エイケン(BEL | Severne / Severne Sails)
7位 アドリアン・ボッソン(FRA | Duotone Windsurfing / Maui Ultra Fins)
7位 ボディ・ケンペン(NED | Severne / Severne Sails)
9位 ニクラス・ネーベルング(GER | Duotone Windsurfing / Maui Ultra Fins)
9位 アントニー・ルネ(FRA | Tabou / GA Sails)
9位 ホセ・“ゴリート”・エストレド(VEN | Tabou / GA Sails)
9位 バルツ・ミューラー(SUI | Severne / Severne Sails)
女子フリースタイルは、世界タイトルがかかった熾烈な戦いに。マイケ・フーファーマン(NED)がFinalで勝利しSuper Finalに持ち込むも、女王サラ・キタ・オフリンガ(ARU)が勝負強さを発揮しタイトルを守り抜いた。彼女にとってこれが16回目のフリースタイル世界タイトル、通算27冠目となる。リサ・クロスター(GER)は初の3位で表彰台に立った。
女子フリースタイル上位結果
1位 サラ・キタ・オフリンガ(ARU | Starboard / NeilPryde / Maui Ultra Fins)
2位 マイケ・フーファーマン(NED | Severne / Severne Sails / Maui Ultra Fins)
3位 リサ・クロスター(GER | MB-Boards / Sailloft Hamburg)
4位 ジヴァ・バティス(SLO | Flikka / GUNSAILS)
(写真・情報提供 PWA)
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