ロングボードレーシングの祭典
6月22日-23日/神奈川県鎌倉市材木座海岸
『ウインドサーフィン湘南選手権』は、湘南地区ではおそらく最も古くから続くレースだ。第1回大会が開かれたのは1989年5月。年に複数回行われた年もあるため今回で46回目ということになる。
時代の移り変わりを感じるが、初開催当時のウインドサーフィン界では、センターボード付きのロングボードが世界的にも主流であり、各メーカーは競ってコースレースボードを市場に投入していた。そのため大会も盛大で、コースレースオープンクラスと学生が中心のIMCOクラスで行われ、参加選手も350名を超えていた。コースレーシングは業界の花形競技でもあったのだ。
その後、スラロームやウェイブの愛好者の増加とともに参加選手が50名前後にまで減少した年もあったものの、主催者の熱意もあり大会は継続され、今年は212名の選手を集めるまでに復活を遂げている。
レースは初日4~6m/sのまずますのコンディションの中、各クラス4レースを消化した。2日目は風が強まる予報ではあったものの、参加艇を2グループに分けた片方の『テクノ293女子クラス+国体クラス男女+ウインドサーファークラス男女』のレースは1~3m/sほどの風の中辛うじて成立する程度で、もう一方の『テクノ293男子クラス』ではほぼ無風状態となり、そちらは残念ながら中止を余儀なくされてしまった。
『テクノ293クラス』では、男子では森健太郎選手、女子では戸田千晴選手と、ともに明治大学の二人の強さが光った。
国体クラスでは男子は尾川潤選手、女子は小嶺恵美選手とベテランが実力を発揮し、ウインドサーファークラスは豊岡美枝選手が他を寄せ付けぬ強さで優勝した。
コースレースは現在ウェイブやスラロームで活躍する選手の中にも経験者が多く、ウインドサーフィンの基礎を体に染み込ませることのできる種目だ。乗り手の総合力を競い合うことからレース後の達成感も大きい。その魅力はこれからも色褪せることはないだろう。
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