Red Bull Storm Chase 2021
2021 February 09 – April 30
大西洋に春の大嵐追跡開始
@redbullstormchase
世界で最もタフなコンテスト『レッド ブル ストーム チェイス』の大嵐追跡レーダーに再びスイッチが入った。つまり「今年も大会を決行する予定である。準備せよ」ということだ。
ウェイティング期間は北ヨーロッパの春の嵐のシーズンが終わるまで(2月9日〜4月30日)。場所はいつものように決まっていない。決まっているのは、大西洋に大きくタフな嵐が発生したとき、その影響が最も強く現われる海面で大会が行われるということ。そこに世界のトップウェイバー数名が集結し、限界突破のレベルを競うということだ。
前回大会が成立したのは2019年。それは5年ぶりのことだった。タフコンを求めるあまりになかなか成立しないのがこの大会の特徴でもある。でもそれだけに、やればとんでもないことが起こるのだ。
2年前のその大会でもそうだった。場所はアイルランドの北西、マガロアティ(Magheroaty)海岸。最大風速36m/s、最大波高8m。1㎡のセイルでもフルプレーニングできそうな暴風に煽られた海面は白く泡立ち、一面を覆う毛嵐によって歪んで見えた。
そこにいた選手らはおそらく特別なスイッチを入れた。クレイジーな状況に身を置くには、マッドな自分になる必要があるからだ。彼ら ─── ジェイガー・ストーン(KA-120)/フィリップ・コスター(G-44)/レオン・ジャマー(G-208)/ロビー・スイフト(K-89)/トーマス・トラベルサ(F-3)/ダニエル・ブラーチ(G-1181)/リカルド・カンペロ(V-111)/アダム・ルイス(K-516)の8名─── は、抉れた波のボトムを抉り、クローズアウトしようとする凶暴なリップに技を仕掛け、8mのカタパルトから36m/sの風に煽られて10m越えのジャンプを連発した。もちろん何度も巻かれ、潰され、ぶっ飛ばされもした。荒れ狂う自然に翻弄され、しかし時に同化した彼らは、あまりに小さく、しかし偉大だった。
その大会に優勝したジェイガー・ストーンは、次のようにコメントしている。「こんな日にコンテストをやるなんて狂気の沙汰だ。何もかもが衝撃的で巨大で凍っていた(当日の気温は5度、体感気温は‥‥?)。自分が優勝したという実感もない。ただすべてが非現実的だったと感じている」
そういう非現実的現実を今年は見ることができるのか? 大西洋に大嵐が来れば、すぐにチェイシングが始まる。世界最高レベルのウインドサーファーが動き出す。タフでマッドな野郎どもは狂気の沙汰の当事者になることを望んでいる。今度はどんな事件が起こるのか。楽しみだ。
▶︎公式サイト https://www.redbull.com/int-en/events/red-bull-storm-chase
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