IWT 御前崎_Day 5
全6クラス、全てのヒートが成立
そしてパーティ、表彰、意思統一
All Photo by IWT Omaezaki Japan Cup_Akihiko Harimoto
この日は7日から持ち越されていたグランドマスターズクラス、マスターズクラス、アマチュアクラスのヒートが行われ、これにより全6クラス、全てのヒートが成立した。その後、夜のパーティでは各クラスでトップ4ファイナリストになった選手らの最終順位が発表され、会場は大いに盛り上がった。いや「盛り上がり」というような言葉で済ませられるような盛り上がりではなかった。会場は一種異様な雰囲気に包まれていた。
IWTは国際的な競技団体としては特異な存在である。自らが「PWAこそウインドサーフィン競技界のトップにあるべきで、IWTはそこを目指すものではない」と言っている。その言外には、だから既成概念にとらわれず、少し自由にやらせてくださいね、というような意味も含まれているように僕には思える。
IWTの大会には、もちろん世界のトッププロも参戦するのだが、それより多くのアマチュアが出場する。アマチュアもプロと同じ、ウインドサーフィンを愛するコンペティターの一人として迎えられ、プロと同じ海面で戦う機会を得られる。ジャッジが急にジャッジ席を離れて、次のヒートに出場することもある。今大会のマスターズクラスでは、そのシステム(?)のおかげで石原智央 対 石井久孝 という元日本チャンプ同士の対戦も実現した。またアマチュアのヒートをトッププロがジャッジして、試合後に彼らに尋ねれば、何かしらのアドバイスをもらえたりもする。緊張感の中にも適度な緩さがあり、その緩急がIWTの特異性を選手やギャラリーとの親和性に変換していく。
大会5日目夜のパーティ会場では、選手、関係者、有料入場者のすべてがその親和性の中にいた。なぶら御前太鼓が披露され、大会ハイライト動画が上映され、バンド演奏(ドラムス=生駒篤樹、ベース=松井晴、ギター=白方優吏・石井孝良、コーラス=石原一季)があり、表彰式が行われ、その度に拍手、歓声、奇声、指笛、ダンスなどで、みんながそこにいることの喜びを表現した。
みんなが ──もちろん多くの人たちがという意味だが ──ウインドサーフィンがマイナースポーツであることを自覚し、だからこそ当事者としてプライドを持って、このスポーツに関わっていきたい、このスポーツを広めていきたいという思いを抱き、その思いが会場全体に行き渡って、心地よくその空間を支配していたように思う。パーティの終わりにMCの松井重樹氏は「なんか感動しますね」と言った。実行委員会の面々は半泣きだった(あるいはそれに近い状態だった)。
みんなが共感して、同意して、ひとつになった。『IWT OMAEZAKI UNITED』── 御前崎にひとつのチームが生まれた。選手も関係者もギャラリーも関係ない。それはみんなが一体化、統合した最強のチームになり得る。今大会は、その結成式としても成功したのではないか。『IWT 御前崎 ジャパン カップ』は「みんなありがとう、来年もよろしく」と、みんながそう言い合っているような大会だった。だから改めて「来年もよろしく(お願いします)」
▼IWT OMAEZAKI JAPAN CUP 2019 / TOP 4
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