トップライダーの言葉_17 / 池田良隆

1960年生まれのハードリッパー

「海の上を自由に走っているウインドサーフィンを初めて見たとき、自分も、と思った。初めて風をとらえて走れたときの爽快感と、沖から見た景色の美しさは忘れることができない。自由でアグレッシブで何年やってもとにかく楽しい」

Yoshitaka Ikeda @ IWT Omaezaki Japan Cup 2019 /ⒸIWT_Akihiko Harimoto
Yoshitaka Ikeda @ IWT Omaezaki Japan Cup 2019 /ⒸIWT_Akihiko Harimoto

二十歳でウインドサーフィンを始めた池田良隆は、もう39年もこのスポーツを続けている。以下は13年前、彼が46歳のときに述べた言葉だ。

「ウェイブが好きだからモチベーションを保つのは容易い。それに(池田のホームである)御前崎にはウインドが好きで、それを極めようとする若者が全国から集まってくる。彼らと一緒にセイリングしたり、彼らが成長する過程を見ることは、自分にとっての刺激になる。それに毎年性能が上がっていく道具を使うと、さらにモチベーションが上がって楽しくなる」

───60歳になってもウインドサーフィンを続けていると思いますか?
「多分ね。いい波に乗って、バキッとリッピングしているよ。ウインドに対する情熱はあまり変わっていないと思う。できる限り大会にも出場したい。勝ち負けではないものが、そこにはあると思うから」

今年3月、池田は『IWT 御前崎ジャパンカップ』に出場し、見事にグランドマスターズ(O-55)クラスで優勝した。ファイナルを戦ったマウイのジェフリー・ヘンダーソンに最後は追い上げられたことから、当人は「ヒヤヒヤした」と語っていたが、それもまた彼の新たなモチベーションになっていることだろう。

池田は来年還暦を迎える。そしておそらく、というか、ほぼ確実にバキッとしたリッピングを見せてくれるはずだ。僕は日本にも彼のようなウェイブライダーが「生まれ」同じような「ウェイブ兄ィ」が続々誕生しつつあることを嬉しく思う。若手からベテランまで、日本のウインド界の層は結構多様で幅広く、しかも厚めに重なりつつあると思えるからだ。もちろん底辺拡大は未だ大きな課題ではあるけれど。

▲池田良隆_Yoshitaka Ikeda 20歳でスタートしたウインド歴は39年。長年トッププロとして活躍し、長年最年長プロとして若手を脅かした。2006年(46歳時)のNWAウェイブランキングは7位。今もホームのグッドコンディションは外さず、そのマニューバーで多くのウインドサーファーに勇気とモチベーションを与え続けるウェイブ兄ィ。1960年10月12日神奈川県厚木市出身、静岡県御前崎市在住 / Yoshitaka Ikeda @ IWT Omaezaki Japan Cup 2019 / ⒸAkihiko Harimoto
池田良隆_Yoshitaka Ikeda 20歳でスタートしたウインド歴は39年。長年トッププロとして活躍し、長年最年長プロとして若手を脅かした。2006年(46歳時)のNWAウェイブランキングは7位。今もホームのグッドコンディションは外さず、そのマニューバーで多くのウインドサーファーに勇気とモチベーションを与え続けるウェイブ兄ィ。1960年10月12日神奈川県厚木市出身、静岡県御前崎市在住 / Yoshitaka Ikeda @ IWT Omaezaki Japan Cup 2019 / ⒸAkihiko Harimoto

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