石井孝良、杉匠真『アロハクラシック』で1-2フィニッシュ

Aloha Classic 2017
聖地ホキーパで日本のユースが優勝&準優勝

All Photo by IWT_Si Crowther 1st=Takara Ishii(J-20)/ 2nd=Takuma Sugi(J-723)/ 3rd=Zachary Schettewi(USA)/ 4th=Luke Guidroz(USA)
All Photo by IWT_Si Crowther
1st=Takara Ishii(J-20)/ 2nd=Takuma Sugi(J-723)/
3rd=Zachary Schettewi(USA)/ 4th=Luke Guidroz(USA)

2017年11月5日、日曜日。日本のウインドサーフィンの歴史に刻むべき快挙が達成された。
ウェイブの聖地、マウイ島ホキーパビーチで開催されている『アロハクラシック』のユースクラスにおいて、
日本の石井孝良が優勝、杉匠真が準優勝を遂げたのだ。J-ナンバーの1-2フィニッシュ。

Takara Ishii(J-20)
Takara Ishii(J-20)
Takuma Sugi(J-723)
Takuma Sugi(J-723)

夢のような話だ。数年前までは、ウェイブパフォーマンスは日本から一番遠い世界だと言われていた。
本気で世界に挑戦する選手は日本にはいなかった。コンプレックスがあったのではないかと思う。
世界のトップの多くは幼い頃からウインドサーフィンを始め、コンディションのいい場所で英才教育を受けている。
大人になってから始めたオレたちが敵う相手ではない。
だから日本の選手は日本で闘うことでそのストーリーを完結させていたのではないか。

でも今は違う。石井も杉もウインドサーファーである父の背中を見て、幼い頃にウインドサーフィンを始めた。
いろんな大会に出て、勝ったり負けたりしながら、やがて勝ち続けるようになり、自然に世界に目を向けるようになった。そこには自分たちと同年代のライバルがたくさんいた。そこに出ていけば、タフな戦いが続くだろうが、負ける気もしなかった。二人は「ワールドツアーでトップになる、世界一になる」と言って、世界に飛び出していった。
それから今日まで、試合だけではなく、練習場も世界(ポッゾやバハやマウイなど)において、ワールドレベルの技を身につけるべく闘っている。かつて日本選手が手を出さなかった(ダブルループやゴイターなどの)世界の技も、彼らにとっては勝つために不可欠な技であり、その精度を高めるために、ライバルと競い合いながら、当たり前のようにトライを重ねている。

だから今回の結果は「驚くべきことではない」のかもしれない。

A
今大会でヘッドジャッジを務めるダンカン・クームス(Duncan Coombs)は言う。
「ファイナルではやや風が落ちたものの、波は良かった。タカラは最初の波で7.93ポイントを獲得した。タクマはその後ろの波に乗り、いいライディングを見せたのだが、6.83ポイントでタカラに1ポイントほどの差をつけられた。その後は二人のやり取りが、このヒートのすべてだったと言っていい。
私は今回の二人の結果に驚きはしない。二人はユースクラスのファイナルで図抜けていた。二人ともプロクラスにもエントリーしており、まだそこでサバイブしている。次のヒート(プロメン・ラウンド3 / トップ16決定ラウンド)はタフな戦いになるだろうが、調子を上げればトップ16に食い込むチャンスはある」

16歳の石井孝良と15歳の杉匠真は、確実に世界の階段を昇っている。
これまで世界のトップに上り詰めた選手らと同様に、その姿が世界の注目を集める存在になっている。
ビデオで確認したのだが、二人の演技は僕にはやはり「驚くべき演技」に映った。
その動きはこのスポーツの未来を表現していた。二人の日本選手の動きがだ。夢のような話だ。

▲石井孝良_Takara Ishii(J-20)5歳のときにプロ選手であった父(石井久孝=2003年NWAウェイブチャンプ)の 影響でウインドサーフィンを始める。小学校中学年の頃から本格的に競技に取り組み始め、小学6年生で ジュニアユース選手権高学年の部(レース)で優勝。その後中学2年生で真剣にウェイブパフォーマンス始め、 2015年『オール・ジャパン・ウェイブ・クラシック』ビギナークラスで優勝。 同年11月、さらに翌年の『アロハ・クラシック』では二年連続でユースクラス(U-21)3位。 そして2017年、ついに同大会、同クラスで優勝を果たす。世界のトップを目指す日本のユースの旗手の一人。 2001年1月13日、静岡県生まれ、16歳。169cm、52kg。
▲石井孝良_Takara Ishii(J-20)5歳のときにプロ選手であった父(石井久孝=2003年NWAウェイブチャンプ)の
影響でウインドサーフィンを始める。小学校中学年の頃から本格的に競技に取り組み始め、小学6年生で
ジュニアユース選手権高学年の部(レース)で優勝。その後中学2年生で真剣にウェイブパフォーマンスを始め、
2015年『オール・ジャパン・ウェイブ・クラシック』ビギナークラスで優勝。
同年11月、さらに翌年の『アロハ・クラシック』では二年連続でユースクラス(U-21)3位。
そして2017年、ついに同大会、同クラスで優勝を果たす。世界のトップを目指す日本のユースの旗手の一人。
2001年1月13日、静岡県生まれ、16歳。169cm、52kg。
▲杉 匠真_Takuma Sugi(J-723)湘南逗子に生まれ、6歳でプロインストラクターの父の影響で
ウインドサーフィンを始める。小学1年生のとき『ピザーラ・クアアイナカップ』ビギナークラスで最年少優勝。
2009年から2014年まで(小学1年生から6年生まで)『ジュニアユース選手権』6連覇。小学3年生で
ウェイブを始め、その二年後には『オール・ジャパン・ウェイブ・クラシック』ビギナークラス優勝。
さらに小学6年生で始めたフリースタイルでも、その翌年に『ピザーラ・クアアイナカップ 2015』で優勝を果たす
など、その才能に磨きをかける。2015年PWA『アロハ・クラシック』アマチュアクラス・ベスト16。
2016年PWAポッゾ大会・ユース12-13クラス2位。『アロハ・クラシック』ユースクラス(U-21)2位、
アマチュアクラス2位。同年JWAフリースタイル・アマチュア年間ランキング1位となりプロ資格を獲得。
2017年、14才8か月、中学3年生で最年少プロとなる。2002年7月23日、神奈川県生まれ、15歳。165cm、62kg。

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